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2014年3月1日(土)

きょうの潮流

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 その日、太平洋の大海原に西から太陽が昇りました。1954年3月1日早朝。赤道に近いマーシャル諸島の海に停泊していたマグロ漁船「第五福竜丸」は、西の水平線から立ちのぼる強い異様な光に包まれました▼数分後、地鳴りのようなごう音が海底から突き上げます。そして、入道雲を重ねたような空からは真っ白な粉が乗組員に吹きつけてきました。頭痛、めまい、吐き気、下痢…。翌日からは髪の毛も抜け落ちていきました▼米国が「ブラボー」と名付けた水爆実験でした。同諸島のビキニ環礁で行われた核実験によって、のべ千隻以上の船が「死の灰」を浴び、近海の島民も被ばく。放射能汚染の被害は世界中にひろがりました▼あの日から60年。ビキニ事件後にわきあがった原水爆禁止、核廃絶の運動は大きく発展していきます。直後にとりくんだ草の根の署名活動は短期間で3千万人をこえ、全国の自治体やさまざまな団体が決議をあげ、政治を動かしました▼ヒロシマ・ナガサキにつづき、三たび核の悲惨さを味わった日本の国民。その思いは若い世代に引き継がれ、国際的な連帯をつよめています。節目となった今年のビキニデー集会でも若者が各国の代表と交流する姿がありました▼いま、国際政治の舞台でも核兵器の非人道性に目を向け、来年は重要な会議が開かれます。全面禁止に向けて巨大なうねりを―。「原水爆の被害者は私を最後にしてほしい」。核によって命を奪われた福竜丸の久保山愛吉さんの遺言を改めて胸に。


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