2014年2月28日(金)
ビットコインって?
取引所が閉鎖 規制及ばず
―話題の「ビットコイン」って何?
インターネット上だけで使われる仮想通貨(形のないお金)で、ナカモト・サトシと名乗る人物が書いた論文に基づき開発されたとされる。2009年に誕生した。安い手数料で休日も国際送金ができ、ネットショッピングで使うのにも便利だという。米欧を中心に急速に普及し、日本でも実際の店舗で使えるところが出始めた。
―どうやって手に入れるの?
私設取引所で円やドルなどの実物通貨と交換して入手する。ビットコインを実際の通貨に交換することもできる。交換レートの変動が激しく、一時は1ビットコイン=1000ドルを超えたが、今は500ドル前後まで落ち込んでいる。
もともとは、高度なコンピューター知識を持つ人が専用のプログラムを使ってつくり出した。それを「発掘」という。十分な能力があれば、誰でも「発掘」できるが、設計上、流通量には上限があり、新たに「発掘」できる量は年を追って少なくなる。
―電子マネーやポイントとの違いは?
通常の通貨は、日本銀行など各国の中央銀行が発行・管理する。電子マネーやポイントは発行する企業がその価値を保証する。しかし、ビットコインは発行・管理者がなく、通貨としての価値は保証されていない。現状では、日銀や金融庁の監督も及んでいない。
―取引所閉鎖と聞いたけど?
東京に拠点を置く大手私設取引所「Mt.Gox(マウントゴックス)」は「全ての取引を一時的に中断することを決めた」と発表し、サイトが閉鎖状態になった。利用者が開設した口座数は110万に上るが、現在、ビットコインの取引や現金化ができなくなっている。詳しい説明はないままだ。米国では当局が捜査に着手したと報じられている。
―ビットコインは大丈夫なの?
米国や中国などにある六つの私設取引所は運営を続けている。推進団体の「ビットコイン財団」は「ビットコインは適切に機能している」と声明を発表した。今回の事態はマウントゴックスだけの問題で、ビットコインの仕組みに影響はないと説明している。
―規制はできないの?
匿名性があり、マネーロンダリング(資金洗浄)や麻薬などの違法取引にビットコインが使われるという懸念がある。交換レートの変動が激しく、投機の対象にされて急速に広がった。しかし、規制は簡単ではない。そもそも、発行・管理者がいないから、取り締まりようがない。私設取引所の運営者を監督する法律もない。ビットコインの決済や投資は、自己責任で行うということになる。