2014年2月25日(火)
タリバン拠点地空爆
パキスタン軍 軍事対応強化か
【ニューデリー=安川崇】パキスタンからの報道によると23日、同国軍が反政府武装勢力パキスタン・タリバン運動の拠点地域を空爆し、戦闘員ら38人を殺害しました。タリバンとの対話が難航するなか、政府が軍事対応を強めているとの見方が出ています。
現場は同国北西部、アフガニスタンとの境界に近い北ワジリスタン地区。軍関係者はロイター通信に、「(今回の空爆で)自爆攻撃の訓練施設などを破壊した」と語りました。タリバンの拠点とされる地域への空爆は20日以来3回目。これまでこの地域への攻撃は限定的なものにとどまっていました。
昨年6月に発足したシャリフ政権はタリバンとの対話による和平を掲げており、1月末には政府、タリバンの双方が対話委員会を指名。接触が始まりました。しかしその後も暴力の応酬はやまず、16日にタリバン構成団体が「パキスタン兵士23人を殺害した」と発表したことで対話はとん挫していました。
この直後の20日、政府は同地区への空爆に踏み切り、約40人が死亡。シャリフ首相がこの空爆を承認したといいます。22日には隣接地区での空爆で9人が死亡しました。
ニサル・カーン内相は20日の空爆直後、現地メディアに「当面、対話の推進はない」と明言。「対話と暴力は両立しない。軍には自衛権がある」とも述べ、強硬路線にかじを切る可能性を示唆しています。