2014年2月22日(土)
米無人機
犠牲者、民間人と判明
イエメン事件 人権団体「国際法違反」
【ワシントン=島田峰隆】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは、昨年12月にイエメン中部で米無人機が車列を攻撃して多数の死傷者が出た事件を調査した結果、犠牲者のほとんどは民間人と判明し、米国の行為は無差別攻撃を禁じた国際法に違反すると指摘しました。19日に発表した報告書で明らかにしました。
「葬式になってしまった結婚式」と題する報告書によると、イエメン中部バイダ州ラッダで昨年12月12日、米国の無人機が11台の車列をミサイル攻撃。少なくとも12人が死亡し、15人が負傷しました。
イエメン当局は殺害されたのは「テロリスト」だと発表しましたが、ヒューマン・ライツ・ウオッチが現地で目撃者や住民に聞き取り調査をしたところ、実際は結婚式の車列で死傷者は民間人でした。
報告書によると、米政府は公式にはこの攻撃に関与したことを認めていませんが、米政府当局者が匿名で、テロ組織「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP)のメンバーを狙った作戦だったと述べたといいます。
報告書は▽戦闘員と民間人を区別していない▽民間人に不釣り合いな損害を与えた―などの点で、攻撃は国際法に違反している可能性があると指摘。米政府に対し、攻撃の法的根拠の提示や全面的な調査と資料の公表、犠牲者への補償を求めました。