2014年2月22日(土)
派遣法改悪案要綱を提示
「臨時的・一時的」 原則明記せず
労政審部会
厚生労働省は21日、労働者派遣法を改悪する法律案要綱を労働政策審議会・労働力需給制度部会に提示しました。部会では要綱に対する意見が続出。次回の部会で引き続き議論することになりました。
法案要綱には、建議に盛り込まれていた「派遣労働の利用を臨時的・一時的なものに限ることを原則とする」との文言はありませんでした。派遣は「臨時的・一時的」との原則を骨抜きにする法案であることが明らかになりました。
派遣先企業が3年を超えて派遣を受け入れる際の要件にかかわって、建議は派遣先企業の過半数組合、民主的に選出された労働者の過半数代表者から意見を聴取しなければならないとしています。しかし、要綱では過半数代表の民主的な選出にかかわる規定はなく、厚労省の担当者は省令に委ねるとしました。意見聴取が派遣期間制限の歯止めにならず、派遣先企業にとって派遣期間を延長しやすい内容です。
また、建議で派遣労働者に対する雇用安定措置として、(1)派遣先への直接雇用の依頼(2)新たな就業機会の提供(3)派遣会社での無期雇用―などを講じるとしています。しかし要綱では、これら措置が優先順位として扱われずに、並列的に扱われ、派遣労働者を正社員化する保障になっていません。
部会で労働者側から、「今回の建議で、派遣は臨時的・一時的と書かれている。これを正確に反映するべきだ」(連合・新谷信幸総合労働局長)との意見が出されました。