2014年2月22日(土)
都内図書館
『アンネの日記』
破られる
関連書籍含め250冊以上
東京都内各地の図書館で、『アンネの日記』や関連書籍が破られるなどの被害が続出しています。分かっているだけで、新宿、杉並、中野、豊島、練馬各区と東久留米、西東京両市の公立図書館で250冊以上に被害が及んでいます。
最も被害が多かった杉並区では、区内に13ある図書館のうち11館で確認されています。初めて気づいたのは今月6日。12日現在で119冊に及んでいます。同区は12日に被害届を出しました。
中野区では、全8館中5館で約50冊に被害が出ました。被害が判明した6日に被害届を出しています。
区内に七つの図書館がある豊島区では、練馬区からの照会を機に全館で調査したところ、1館で5冊の破損が分かりました。
同館では、昨年2月にも書架整理をしていた職員が破られている書籍3冊を見つけています。その後、区内全館で調査したところ、別の1館で新たに2冊の破損が判明。さらに、同年5月には、利用者から「切り取られている」と申し出があり、2冊の破損が分かっています。
豊島区では「たまたま職員が書架整理していて発見したのが昨年2月ということで、いつ破られたかは分からない」といいます。
西東京市では1月22日、「破れていますよ」という利用者の指摘で被害が判明。市内全7館を調査したところ、2月1日までに3館で10冊の毀損(きそん)書籍を見つけました。「10ページ、20ページまとめて手で引きちぎったようです。こんなことは初めて」と幹部職員があきれます。
杉並区の井出隆安教育長は「知の財産を共有する場所である図書館において、いかなる理由においても、図書を意図的に毀損することは許されない行為」とコメントしています。日本図書館協会の山本宏義副理事長も「図書館にかかわる者として大変残念だ」と話しています。
『アンネの日記』 第2次世界大戦中、ナチス・ドイツの迫害を逃れて隠れ家生活を送っていたユダヤ人少女アンネ・フランクがのこした日記。2009年、ユネスコの世界記憶遺産に登録されました。