2014年2月20日(木)
衛藤首相補佐官
靖国参拝批判に挑戦
「米国は中国にものもいえない」
衛藤晟一首相補佐官がネット上の動画で、安倍晋三首相の靖国神社参拝(昨年12月)に対する米国政府の「失望」表明について、「われわれの方がディサポインテッド(失望)だ。アメリカは同盟関係の日本をなんでこんなに大事にしないのか」と批判していたことが分かりました。米国をはじめ国際社会に広がる首相参拝批判への挑戦です。
発言は「約束を果たした総理の靖国参拝」と題する動画で行ったもの。動画は同氏が17日までに自身の「ユーチューブ」サイトに投稿していました。
動画で衛藤氏は「アメリカがちゃんと中国にものが言えないようになりつつある」と批判。米国の「失望」は日本にではなく、「中国に対する言い訳として言ったにしかすぎない、という具合に理解している」などと発言。安倍首相の靖国参拝は「慰霊」「不戦の誓い」のためのもので「当たり前」だと擁護しています。
衛藤氏の発言は、日本の過去の侵略戦争を「正義の戦争」と美化する施設となっている靖国神社を「不戦を誓う場」であるかのようにごまかすものです。
菅義偉官房長官は同日の記者会見で「(衛藤氏の)個人的な見解であって、日本政府の見解ではない」と発言。会見後、電話で衛藤氏に「(発言を)抑えてくれ」と注意し、衛藤氏は問題の動画を自身の「ユーチューブ」サイトから削除し、発言も取り消しました。
一方で衛藤氏は記者団に、「(発言の)何が問題なのか分からない。(批判するのは)ばかじゃないか」などと開き直りました。