2014年2月17日(月)
権力的な「廃市」認めぬ
「都」構想批判 大阪市民シンポ
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「出直し大阪市長選」に出馬する橋下徹市長が推進する「大阪都」構想の問題点を学ぶためのシンポジウムが16日、大阪市内で開かれ、約300人が参加しました。橋下氏を告発する意見広告運動に取り組んできた「市民の為の行政を求める会」(代表・辻公雄弁護士)が主催しました。
立命館大学の森裕之教授が基調報告。「都」構想とは、大阪市を廃止して特別区に分割する「廃市政策」であり、当初の4000億円から激減した596億円の「効果額」も、市民サービスのカットや民営化を入れ込み水増ししたものだと指摘しました。「都」構想の財政調整制度の問題点として▽市の税財源が1200億円吸い上げられる▽都と特別区、特別区間で争いが起きる▽特別区では従来以上の市民向け予算の削減が進む―といった点を挙げました。
東京の都区制度について報告した今井照福島大学教授は、戦中、戦時体制の強化のために東京市が廃止され、東京都が設置された経緯にふれ「大阪と似ているのは集権的な体制をつくるための変革だったということだ」と指摘。都区制度は批判的にみるべきものであり、税収の多い東京では成り立っているが、大阪ではうまくいかないと述べました。
宮本憲一大阪市立大学名誉教授は「歴史的に形成された有機体である都市を権力的な考え方だけで無くすのは許し難い」と強調。今回の事態を機に、大阪らしい市民参加の仕組みを市民が考案することが大事だと話しました。