2014年2月14日(金)
法人税減税議論を開始
政府税制調査会 検討グループ新設
首相の諮問機関である政府税制調査会は13日、会合を開き、法人実効税率の引き下げを含めた法人税改革の議論を行いました。大田弘子元経済財政担当相を座長とする専門の検討グループを新設し、税率を下げた場合の経済効果や財政への影響などを検証します。
1月にスイス・ダボスで行われた世界経済フォーラム年次会議(ダボス会議)で、安倍晋三首相は「法人税改革に着手」することを宣言しました。
日本の法人実効税率は、復興特別法人税の前倒し廃止の結果、14年度には35・64%(東京都の場合)です。ただ、研究開発減税や連結納税制度などにより実際の負担割合はそれほど高くありません。また、法人実効税率を1%下げると税収が約4700億円減るため、財源確保が課題です。
会合では、税収の穴埋め策として、赤字に陥った企業が翌年度以降の黒字と相殺できる「繰り越し控除制度」の見直しなどが議論されました。現在は、最長9年間の赤字を繰り越し、大企業では各年度の黒字額の8割まで差し引くこと(控除)ができます。
また、特定企業向けの減税など「租税特別措置」の縮小・廃止も検討課題として挙げられました。同措置による法人税の減税規模は11年度で9000億円にのぼります。会合では、法人課税の見直しだけでの財源確保は難しく、消費税増税でまかなうことも狙われています。
政府は6月にまとめる経済財政運営の基本方針「骨太の方針」で、法人実効税率引き下げの方向性を示すとしています。