2014年2月13日(木)
きょうの潮流
「雪のサーフィン」ともいわれるスノーボード。1960年代に米国で生まれ、板の改良とともに普及。競技人口も増え、五輪では98年の長野大会から正式種目になっています▼かっこよさ、自由さが多くの若者の心をつかみました。幼いころから、その魅力にとりつかれた日本の10代がソチ五輪で快挙です。15歳の中学生ライダー、平野歩夢(あゆむ)選手と18歳の高校生、平岡卓(たく)選手がそろって表彰台に立ちました▼「エア」と呼ばれる空中技を競い合うハーフパイプ。浮き上がるようなジャンプの高さや華麗で巧みな回転技。「やってきたことを出し切れた」(平野)、「楽しんで滑れた」(平岡)。大舞台に臆せず、ともに持ち味を発揮しました▼同じ時間帯に中継していた女子のジャンプ。こちらも17歳の高梨沙羅(さら)選手は4位でした。本人は精神面の弱さを口にしましたが、ひとつの動作の狂いがすべてに影響する繊細な競技。風によって大きく左右される難しさもあります▼スポーツの世界に“絶対”はありません。それなのに「金メダル確実」「金への飛行」などと、さんざんあおり立てたマスメディア。メダル至上で追いかけ回し、それが重圧となって本来の力を出せなかった選手はたくさんいます▼テレビを見ていて不満なのがもう一つ。中継を除けば、優勝や好成績の外国選手のことをほとんど伝えないのです。世界のアスリートが最高峰の技と力を披露する場でもあるオリンピック。それにふれることもできないとは、なんとも消化不良です。