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2014年2月9日(日)

賃上げ求める建設労働者

「労務単価上げ完全実施を」広がる声

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(写真)大幅賃上げを求める建設労働者たち=6日、東京・日比谷野音

 建設関連労働者の低賃金と劣悪な労働条件の改善のため、国土交通省が決めた公共工事の労務単価の引き上げを確実に実施せよとの声が高まっています。6日には、「中小建設業者の経営を守れ 建設関連労働者の大幅賃上げを求める大集会」が東京都内で3000人の参加で開かれました。

 この間、公共事業の縮小や住宅建設など民間工事の低迷で建設関連労働者が減少、建設業界における人手不足で担い手確保が課題になっています。

 この影響でとりわけ東日本大震災の復興公共事業にも支障が出て、その遅れが指摘されています。

 こうしたなか、国交省は2月以降の入札案件から適用する公共工事の労務単価を全国平均で7・1%、被災3県で8・4%引き上げることを決めました。

 昨年4月にも労務単価を15・1%(被災3県で21%)引き上げています。しかし、国交省は「その後に技能労働者の賃金動向をきめ細かく調査した結果、労務単価と実際の賃金にかい離が生じていた」(太田昭宏国交相)として、引き上げが賃金に反映していないことを認め、今回の再引き上げを決めたとしています。

 こうしたことは被災地ではとりわけ深刻です。例えば莫大(ばくだい)な国費で放射能の除染作業を進めている福島県では、労務単価が1日、1万5000円、それに除染手当の1万円と合わせて合計2万5000円が基準になります。ところが、「実際には1万2000円しか支払われていない。そこから寮費、食費、ガソリン代を税金、社会保険料を差し引くと8500円しか手元に残らない」(「除染労働者一一〇番」を開設している小川英雄、福島県労連・労働相談センター所長)というのが実態です。

 その背景には、暴力団の介入などが伴った建設業界の4次、5次と幾重にも重なる重層下請け構造による元請け企業の横暴、ピンハネがあります。

 こうした構造にメスを入れるとともに、今回の労務単価の引き上げが現場の最前線で働く労働者に確実に反映するよう発注官庁である国や地方自治体のきめ細かい指導と対応が求められています。

 (党国民運動委員会・高瀬康正)


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