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2014年2月9日(日)

きょうの潮流

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 近年にない大雪に見舞われた首都圏。相も変わらず交通網は混乱し、受験生にも影響が出ています。とんだ積雪ですが、都会の汚れた空気が洗われるような純白の風景です▼ソチでは雪と氷の祭典が始まりました。フィギュアの高橋大輔選手は作曲者が別人と分かった曲を変えずにのぞみます。彼は「バイオリンのためのソナチネ」を聴いたとき、「どこか希望を感じた」といいます▼「ソナチネ」など、「佐(さ)村(むら)河(ごう)内(ち)守」の名義で発表された曲の本当の作曲者が名乗り出ました。「世間を欺いた。私は共犯者」と謝罪した新(にい)垣(がき)隆さん。佐村河内さんが示した大まかなイメージをもとに、彼が曲を書いていました。代作とはいえ、力の限りをつくしたとも▼「偽りの曲」となった作品をCDで聴き直してみました。録音のときに楽団員が感動のあまり涙を流したという交響曲第1番“HIROSHIMA”や弦楽四重奏曲。実演で聴いたときの感銘がよみがえり、祈るような弱音の数々に心をうたれました▼本欄もかつて、これらを佐村河内守さんの曲として紹介しました。苦々しさが募ります。読者のみなさんに申し訳ない。と同時に、代作という理由で作品が社会から葬られるのはしのびないとも思います▼人間不信をひろめた佐村河内さんの不正はとうてい許されません。ただし、作り手の事情とは別に作品はすでに独り歩きしています。聴くか聴かないか、好ましい曲として選び取るか逆に捨て去るか。聴き手の判断にゆだねるしかないでしょう。


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