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2014年2月6日(木)

30年余ともに歩んだ宇都宮けんじさん

サラ金被害解決 国動かす

クレ・サラ被害者連絡協議会前事務局長 本多 良男さん(72)

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 昨年6月まで全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の事務局長として長年、多重債務問題の解決に尽力してきた本多良男さん(72)。いま、抗がん剤治療の副作用で自由にならない身体を押し、宇都宮けんじ東京都知事候補への支持を呼びかけて、自宅で受話器を握る毎日です。サラ金被害者に寄り添い、ともに歩んで身近に見てきた、人間・宇都宮けんじを語りました。(聞き手 青野圭)


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 宇都宮さんとは、サラ金が深刻な社会問題になった1983年以来のお付き合いです。体を張って世論に訴え、政府を動かして法律を作り、制度を整備してサラ金被害を激減させた人です。

「脅し」に屈せず

 当初、サラ金を規制する法律はなく、取り立ては夜討ち朝駆け、職場に押し掛けたり、通勤電車の中まで付きまとってどう喝するなど、ひどいものでした。自殺や一家心中、蒸発などが続出していました。

 当時は、「借りた方が悪い」という風潮が根強く、サラ金、特にヤミ金業者は「弁護士? 関係ねーよ、おまえが払え」「ぶっ殺すぞ」などの脅しは日常茶飯事でした。

 宇都宮さんは屈しなかった。逆に、裁判で“ヤミ金から借りた金は、金利も元金も返す必要はない。支払った全額を損害として取り戻せる”という、ヤミ金の息の根をとめる画期的な判決(2008年、最高裁)を勝ち取りました。

 06年に金利引き下げを柱とする貸金業法の抜本改正を実現。07年に内閣官房に「多重債務者対策本部・有識者会議」ができると、委員に呼ばれた私と宇都宮さんが主導して、政府の「多重債務問題改善プログラム」を作り、全国で実施されました。その結果、多重債務相談は激減しました。

「事情違うから」

 宇都宮さんは、相談にきたサラ金被害者の一人ひとりを大切にしました。都知事選の政策でも「一人ひとりを大切にする」と掲げていますが、その通り実行してきました。

 債務整理など事務的に処理する弁護士もいましたが、宇都宮さんは違った。「一人ひとり事情が違うから」と、ていねいに相談に応じていました。だから時間がかかった。朝から夕方まで、昼食がとれないから、アンパンをかじりながら相談にのっていたこともありました。

 06年の法改正を契機として、全国の自殺者数が大幅に減りました。自殺者が多いことで知られる山梨県の青木ケ原樹海に07年、「借金の解決は必ず出来ます! 私たちも助かりました」という看板を立てました。設置者の名義は私、宇都宮さんが保証人となって実現しました。

 宇都宮さんはあのころ、こう言っていました。「高金利という大きな山をどかしてみたら、その裏に貧困という大きな山が見えてきた」って。年越し派遣村の名誉村長になったのは次の年でした。

 長い付き合いですが、不正に怒りをぶつけることはあっても、宇都宮さんが私たち庶民に怒ったり、愚痴をこぼしたことはありません。

 いま、東京に横たわる大きな山をどかすことができるのは、宇都宮さんしかいません。断言できます。


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