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2014年2月5日(水)

首相「96条改憲」発言

要件緩和 「維新」議員けしかけ

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 安倍晋三首相は4日の衆院予算委員会で、改憲手続きの要件を定めた憲法96条の改定について、「国会議員のたった3分の1で、国民の6、7割がもし(改憲を)望んでいたとしても、それを拒否してしまうのはおかしい。96条改正すべきだと思っている」とのべました。日本維新の会の小沢鋭仁国対委員長への答弁です。

 憲法96条は「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」で国会が改正を発議するとしており、この要件の緩和は安倍首相の持論です。

 小沢氏は首相にたいして「世界でもっとも厳しいと思われる改正手続きをかえ、(憲法を)国民の手に取り戻すのは邪道ではない。時代にあわせた憲法改正をおこなうために必要不可欠だ」と主張。「現在の総理の立場はかなりトーンダウンした。96条を変えないといけないという思いに変わりはないか」とハッパをかけました。

 安倍首相は「必要性について今後も訴えていきたい」などと表明しました。

権力者が縛り緩める異常さ

 安倍晋三首相と日本維新の会が、またぞろ憲法改定手続きを定めた96条の要件緩和論を持ち出しました。昨年の通常国会でも、「(改憲は)96条改定から始める」と互いにエールを交わしました。しかし、憲法による権力に対する縛りを緩めるもので、立憲主義に反すると厳しい批判を浴びました。自民党の古賀誠元幹事長ら保守派からも批判され、世論調査でも「反対」が多数で議論は下火になっていました。

 蒸し返したのは、96条改定議員連盟の会長代行を務める小沢鋭仁・維新の会国対委員長。答える安倍首相は同議連顧問、古屋圭司国家公安委員長が会長という構図で、権力のトップが憲法の縛りを緩める動きの先頭に立つという異様な状況の再現です。

 「国会議員の3分の1が反対しただけで改憲発議ができない」(安倍首相)といいます。しかし、国会が圧倒的多数で賛成した法律も、人権侵害すれば違憲・無効となるのです。憲法は時の政治的多数の横暴で個人の自由が侵害されないようにする仕組みで、改憲発議の厳格さもそこに狙いがあります。安倍首相は、まだ「そもそも論」がわかっていません。 (中祖寅一)


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