2014年2月4日(火)
イランも米欧も“核問題 誠意持ち交渉”
ミュンヘン安保会議で発言
【パリ=浅田信幸】ドイツのミュンヘンで開かれている安全保障問題に関する国際フォーラム(ミュンヘン安保会議)は最終日の2日、イランの核開発問題が焦点となりました。米欧とイランの双方は、フォーラムとその前の個別会談で「誠意」を持って交渉を続ける姿勢を示しました。
ケリー米国務長官は同日、イランのザリフ外相と個別の会談を行い、「双方が誠意を持って交渉し、イランは約束を守る」ことの重要性を指摘。これに対し、ザリフ氏は「われわれは最初の一歩を実現した」「(イランは)解決に達する政治的意思と誠意を持っている」と応じました。
イランの核開発問題をめぐり、国連安保理常任理事国(米英仏中ロ)にドイツを加えた6カ国とイランは昨年11月、イランが一部の開発作業を凍結し、米欧側が一部制裁を解除することで合意。1月20日から合意が実行に移され、今月18日からは包括的解決を目指す新たな交渉がウィーンで開始されます。
ただ米国内では、交渉進展中にも新たな対イラン制裁を科す動きがあり、イラン側でも米欧とのいっさいの妥協を拒否する勢力が存在しています。スウェーデンのビルト外相は「大きな相互不信があるものの、成功のためにあらゆることを試みないのは犯罪だ」と述べました。
一方、ザリフ外相との個別会談を1日に行ったファビウス仏外相は「イランは核兵器を明確に放棄するうえで必要なすべての措置をとらねばならない」と強調。
また国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、民生用にも軍事用にも利用可能な、すでに生産ずみのポロニウムの存在に注目している事実を明らかにしました。