2014年2月2日(日)
都営住宅 新規建設 宇都宮さんに期待
石原・猪瀬都政はゼロ
都営住宅を建て替え高層分譲マンションに…
東京都知事選で、宇都宮けんじ候補(日本共産党、社民党などが推薦)が掲げる「都営住宅建設ゼロから脱却して、都営住宅の新規建設に取り組みます」との政策に共感が広がっています。
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石原・猪瀬都政は、2000年に都営住宅の“ゼロ政策”に転換してから、1戸も都営住宅を新規に建設していません。これは、住宅供給を民間市場にゆだね、都民の住宅確保を「自助努力」「自己責任」でやれ、という都の姿勢のあらわれです。
最高倍率900倍
東京都住宅局、都市整備局の事業概要を分析したNPO法人「建築ネットワークセンター」の小川満世理事長は、「2000年度の都営住宅の公募戸数が1万3967戸だったのが、2010年度には、10年間、新規建設をしなかったために、5375戸に激減している」と指摘します。
この結果、平均応募倍率は2000年度が14・4倍だったのが、05年度が40・1倍など、毎年度、30倍を超しています。地域によって最高応募倍率が900倍を超えるところも出ているといいます。
のべ応募者数も10年度で、16万1596人に達し、落選者数は15万6221人。住宅に困っている都民の実情がうかがえます。
「安くて質のいい公営住宅を」という都民の要求に背を向ける一方で、東京都は「都市再生」の名で、都営住宅の建て替えにあたり、大企業のもうけ確保には一生懸命です。
家賃月80万円
地下鉄・青山1丁目駅に近い都心の一等地にあった都営南青山一丁目団地(142戸)の建て替えでは、三井不動産、大成建設、伊藤忠商事が出資した「南青山アパートメント株式会社」が事業主になり、07年3月、14階建ての都営住宅150戸と、46階建ての民間賃貸マンション(380戸)、商業・業務施設が完成しました。
超高層マンションの月額家賃は30階の100平方メートルの居室で70万〜80万円、50平方メートルで30万円という“金持ち”向けのものとなりました。
品川駅から徒歩10分のベイエリアにあった都営港南四丁目第3団地(803戸)の建て替えでは、住友不動産、竹中工務店、東京ガス、日立ビルシステムなどの出資で「港南四丁目開発株式会社」を設立。43階建ての分譲マンション(828戸)が08年4月に完成しました。
専有面積73・89〜114・27平方メートルで、販売価格は、2247万〜4347万円です。
小川氏は、「都営住宅の一般公募は年2回やっているので、(応募者数)16万人の半分として8万人を超す都民から切実な住宅要求があることは重大です。都営住宅の新規建設、借り上げ、買い取りなどによる公的住宅の抜本的増設が喫緊の課題です。宇都宮さんに期待します」と話しています。