2014年2月2日(日)
主張
都知事選の対決点
転換を委ねられる候補は明白
全国が注目する首都の政治決戦・東京都知事選(9日投票)は終盤に入りました。「福祉に冷たい都政を今度こそ変えたい」「安倍晋三政権の危険な暴走を止めたい」。都民の暮らしと日本の未来がかかった重大な選挙に、都民の願いは切実です。論戦を通じて、「希望のまち東京をつくる会」の宇都宮けんじ氏(日本弁護士連合会前会長)=日本共産党、社民党など推薦=が、都政の転換、安倍暴走ノーの願いを託せる唯一の候補であることがますます明白です。
宇都宮氏に抜群の力
告示から1週間たってやっと行われた候補者のテレビ討論は、宇都宮氏の“完勝”でした。大問題の保育所待機児解消については、認可保育園など定員を5年間で5万人増やすために、都有地の活用、保育士待遇改善など具体的な実現の方策を紹介し、抽象的な話しかしない他候補を圧倒しました。原発政策は、株主として東電に福島原発廃炉などを提案すること、原発ゼロへの移行などについて説得力ある提起を行い、他候補も「宇都宮さんのいった通り」と語る一幕もありました。
宇都宮氏が、都民の視点にたった政策を提言できるのは、14年間続いた石原慎太郎元知事―猪瀬直樹前知事時代の「暮らしに冷たく、大企業優先」の都政を根本から変える立場を貫いているからです。「福祉はぜいたく」などといって全国2位だった老人福祉費を切り捨て最下位クラスに転落させた都政をただすことなくして、都民の暮らしや福祉は守れません。
宇都宮氏は、人権弁護士として早くから貧困問題に取り組み、庶民の心が痛いほど分かる人です。サラ金規制の法改正など政治を動かす力は試されずみです。若者を使い捨てるブラック企業規制条例を提案しているのも、若者の深刻な実態を放置できないという熱い心に裏づけられたものです。
石原・猪瀬都政を支えてきた自民、公明などが推す舛添要一元厚労相は「冷たい都政」を継承・推進する立場です。小泉純一郎元首相が応援する細川護熙元首相は「福祉などは誰がなっても同じ」などと公言し、都政転換の姿勢はありません。スウェーデンの国家予算なみの都の財政力を、都民のために使う政治に切り替えることは、宇都宮氏でこそ可能です。
宇都宮氏は、「原発ゼロ」「原発再稼働反対」の幅広い市民とともに行動し、原発事故被害者の相談・支援・救済に尽力してきました。都民の「原発ノー」の願いをもっとも生かせる一票は宇都宮氏をおいてほかにありません。
「戦争する国」づくりを狙う秘密保護法や集団的自衛権行使解禁などをすすめる安倍政権の暴走と正面から対決できるのは、憲法をいかす都政をめざす宇都宮氏だけです。自民党の改憲案づくりにたずさわった舛添氏は、安倍政治の暴走を後押しする立場です。平和と民主主義を守れの願いを託せないことは明らかです。
暴走ノーを総結集し
今度の選挙は、首都東京から日本の政治を動かす、またとないチャンスです。都政の転換か継続か―対決点は鮮明です。宇都宮氏の勝利は、平和と民主主義の破壊に突き進む安倍政権へ最大の痛打となります。都民が手をつなぎ、力を合わせて希望ある東京と日本の未来を切り開きましょう。