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2014年2月1日(土)

電力業界が 原発「指南」

自民議員に新増設迫る

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 東京電力など10電力会社でつくる電気事業連合会(電事連)が、原発推進を求める文書を複数の自民党の国会議員に配っていたことが31日までに分かりました。文書は、国のエネルギー政策で原発を重要電源と位置づけ、新増設を明確に打ち出すよう主張しています。


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(写真)電事連が自民党議員に配布していた原発推進の「指南書」

 経済産業省の審議会が昨年12月にまとめたエネルギー基本計画案は、原発について「基盤となる重要なベース電源」と明記。安倍政権は、民主党政権時代の「原発ゼロ」目標を投げ捨て、年明けにも閣議決定する方針でした。ただ、原発ゼロの圧倒的な世論をはじめ自民党内からも異論が出たため先送りされています。

 自民党は1月、所属の国会議員を対象に基本計画についてアンケートを実施。電事連の文書は原発の有用性を列挙しており、アンケートを記入する際の「指南書」とみられます。

 文書は「原子力発電を一定程度の規模を確保することとし、そのための新増設・リプレースの必要性を明確化する」と指摘。破たんが明らかな核燃料サイクルについても「着実に推進する」としています。一方、再生可能エネルギーについては「現実的な規模の導入」との表現にとどめ、抜本的な推進に背を向けています。

 電事連は本紙の問い合わせに対し「事業者として国のエネルギー政策に貢献したいと考えているので、さまざまな機会を通じて考え方を説明している。個別の内容や説明機会の詳細については回答できない」としています。

電事連文書のポイント


 ・原発を重要な電源と位置づける
 ・原発の新増設の必要性を明確化
 ・再稼働の手続き効率化・迅速化
 ・核燃料サイクルの着実な推進
 ・高レベル廃棄物処分場立地解決
 ・再生可能エネは現実的な規模に

解説

福島事故の無反省改めてあらわに

 電気事業連合会(電事連)が自民党議員に配布していた原発推進の「指南書」は、電力業界一体となって政治に圧力を加えたものであり、東電福島原発事故に対する無反省ぶりを改めてあらわにしました。

 安倍政権は、民主党政権時代に国民の圧倒的世論によってつくられた「原発ゼロ」目標を投げ捨て、原発回帰の姿勢を強めていました。こうした安倍政権の強引な原発回帰に対しては、自民党内からも「2012年の総選挙で、早期に原発に依存しない経済・社会構造の確立を目指すとした公約にも反する」と批判が上がっていました。

 自民党のある国会議員は「(電力業界の政治介入は)今回の文書だけではない。電力会社の本社に呼びつけられ、今後は支援しないと脅された議員もいる。連中は福島の事故を無かったことにしようとしている」と語ります。

 原発ゼロを願う国民世論を、「裏工作」でつぶそうとする電力業界の姿勢は、原発推進に大義がないことを浮き彫りにしています。 (佐久間亮)


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