2014年1月31日(金)
NHK、脱原発論に難色
大学教授がラジオ番組降板
NHKラジオ第1放送の番組に出演予定だった東洋大の中北徹教授(62)が「原発事故のリスクをゼロにできるのは原発を止めること」などと話す意向を事前に伝えたところ、担当ディレクターから「東京都知事選の期間中はやめてほしい」と難色を示され、テーマの変更を求められていたことが30日、同教授への取材で分かりました。中北教授は同日朝の出演を拒否し、番組を降板したといいます。
番組は午前5〜8時の「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」のコーナーでコメントする予定でした。
中北教授によると、29日午後にシナリオを作成しディレクターに送付。原発の稼働コストが上昇していること、事故の発生確率を減らしても、1件当たりの損害額が巨額になる点を経済学者の観点から話すと伝えました。
これに対し、ディレクターは「有権者の投票行動に影響を与える」「(脱原発は)選挙が終わってから扱ってほしい」などと答え、テーマのさしかえを求めてきたといいます。
NHK広報部は「東京都知事選では原発をめぐる問題が争点となっており期間中の番組についてはより公平性を期す必要がありますが、今回の番組では演出上そうした対応を取ることが困難だったため、教授にテーマの変更を求めたものです」と説明しています。