2014年1月30日(木)
司法の未来のために
「給費制」廃止違憲訴訟 原告ら陳述
第1回口頭弁論
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法律家になるトレーニングを受ける司法修習生への給費を国が廃止したことは憲法違反だとして、元修習生らが国を相手どり損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が29日、東京地裁(畠山稔裁判長)で行われました。
裁判では、原告ら4人が意見陳述。弁護団共同代表の渡部容子弁護士は、給費制のもとで司法修習を受けた経験から「給費によって、修習生は国民に育てられているという意識を持ちます。営利の追求とは異なる立場にあることを自覚し、給費制が法律家のマインド(精神)をつくる」とのべました。
原告団長の宮里民平弁護士は「原告の一人は借金1000万円を超えるなど、身近に多額の借金を抱える人ばかり。法律家にあこがれる子どもに『お金がかかるからやめとけ』と言いたくない」と訴えました。
原告の畠山幸恵弁護士は、貸与を申請するために父と妹に連帯保証人を頼んだ申し訳なさ、貸与制のもとで修習生に健康保険がないなど、「給費制を廃止した弊害はこうしたところまで及んでいる」と告発しました。
東京訴訟の弁護団長、原和良弁護士は「給費制廃止により、修習生の貧困化が進み、その反映として充実した修習が阻害されている」とのべ、法律家を目指す人の多大な経済負担を指摘。「日本の司法の未来のため、何が法曹養成制度に必要か、議論していただきたい」と呼びかけました。
この訴訟は、名古屋、広島、福岡の各地裁でも行われ、2011年の貸与制導入時に修習を受けた新65期の修習生211人が原告に名を連ねています。同期の修習生の10%強が原告となっています。
この弁護団の共同代表は、宇都宮けんじ東京都知事候補がつとめています。