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2014年1月30日(木)

米大統領 最賃上げ提起

一般教書演説 大統領令行使も表明

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 【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領は28日夜、上下両院合同会議で今年の施政方針を示す一般教書演説を行いました。支持率低迷のなか、今年を「行動の年」にすると述べ、経済成長と格差是正のための最低賃金引き上げなど、国内政策を中心に提起し、大統領令を行使することも表明しました。


 オバマ氏は、昨年の米議会内の与野党対立による政府機関の一部閉鎖などから、国内外で米政府への不信感を高めたことを振り返り、「大統領として、政府をしっかりと機能させ、信頼を立て直すことを約束する」と強調しました。

 経済成長の加速や中間所得層の強化のための政策実現について、「議会の行動が必要」と述べた上で、「(議会による)法律がなくても私にできることは、いつでも実行する」と、自らの権限を行使する姿勢を示しました。

 米経済の現状について、上位企業の収益や株価は好調であるとしながら「不平等は深まっている」と格差拡大を指摘。経営者や地方自治体に賃金引き上げを呼びかけました。

 賃上げの流れをけん引するため、大統領令で政府の契約職員の最低賃金を時給10・10ドルまで引き上げると表明。最低賃金10・10ドルを議会で法制化することも訴えました。

 期限が打ち切られた160万人の失業保険給付制度の復活や効果的な同制度の改革を議会に訴え、移民改革法の成立も呼びかけました。

 外交や国際問題についてオバマ氏は、国際テロ組織アルカイダや同組織と関係する他の過激勢力が世界各地で根付き、「脅威は進化している」として、「われわれはこれらのネットワークを崩壊させ、無効にするために同盟国と取り組み続けなければならない」と述べました。

 また、アジア太平洋地域を引き続き重視し、同盟国と地域の安全と繁栄をより強力に実現していくことを表明しました。

 環太平洋連携協定(TPP)については、昨年のように「交渉を完了させる」とは言わず、交渉妥結に努める姿勢を示し、議会に協力を要請しました。


 一般教書 英語では「ステート・オブ・ザ・ユニオン」。予算教書、経済報告とともに米大統領の三大教書の一つで、毎年1月に議会演説で表明。合衆国憲法に基づき、国の現状を議会に報告するもので、日本の首相の施政方針演説に相当します。


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