2014年1月29日(水)
支援法の早期実施を
原発事故被害者ら全国集会
約20万人分 署名を提出
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東京電力福島第1原発事故の被災者救済を政府に求める全国集会が28日、国会内で開かれました。いまも拡大し続ける被害を、福島県をはじめ全国各地から集まった被害者が告発。除染や健康管理、被害救済などの理念を示した支援法のすみやかな実行を求め、約20万人分の署名を出席した各党議員に手渡しました。
集会は、被害者や支援者でつくる「原発事故被害者の救済を求める全国運動実行委員会」が主催しました。
集会では、「原発事故・子ども被災者支援法」(2012年6月成立)が骨抜きにされていると、被害救済に取り組む法律家らが報告しました。
江口智子弁護士は、避難者向けの施策がほとんどないと政府の基本方針の問題点をあげ、(1)住宅支援など被災者の安定した生活の実現(2)予防原則にもとづく健康管理・健康診断の実現(3)被災者の声を反映する仕組みづくり―の具体化を訴えました。
福島県から静岡県に家族で避難する男性(47)は、「あと10万円あればと何度も思った」と避難生活の経済的負担を振り返ったうえで、補償だけでなく、名誉と尊厳、子どもの未来のためにたたかうと話しました。
また、各地の参加者が「放射線量が高くても、福島県外には除染や健康診断の支援がない」(栃木県)、「やむなく自主的に甲状腺検査、相談活動を始めた」(宮城県)などと困難を語りました。
参加者らは支援法の早期かつ十分な内容での実施を求める請願署名を19万7762人分集めたと発表。通常国会に提出します。
集会には日本共産党の紙智子、田村智子両参院議員のほか、民主党、みんなの党、社民党、結いの党の各党国会議員が出席し、被害者から署名を受け取りました。