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2014年1月25日(土)

南スーダン 和平調印

政治家釈放見送り

合意の即時履行 国連総長が要求

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 南スーダン政府と反乱軍は23日、エチオピアの首都アディスアベバで、1カ月余り続いている戦闘の停止などの和平合意に調印しました。近隣国でつくる政府間開発機構(IGAD)の仲介で進められていた交渉によるもの。独立からわずか2年半で内戦のふちに立った同国で、和平合意が履行され、国家建設再開の一歩になるかどうかが注目されています。 (夏目雅至)


 調印されたのは、「停戦合意」と「拘束者の地位に関する合意」の2文書。停戦合意には「24時間以内の停戦」や検証、査察の機構が盛り込まれましたが、反乱軍側が要求していたウガンダ軍部隊の撤退要求については「双方が招聘(しょうへい)した外国軍の撤退」という曖昧な表現にとどまりました。

 反乱軍側は政府が拘束する反大統領派政治家11人の釈放を要求していましたが、釈放はは見送られ、その「将来の民族和解過程への参加」の保証にとどまりました。

 今回の戦闘は、南スーダン与党のスーダン人民解放運動(SPLM)内での旧スーダンの南北内戦時代にさかのぼる政治対立が背景。大統領、前副大統領がそれぞれ支持基盤とする民族ディンカ人とヌエル人の対立を背景に、3州の州都の争奪戦が続きました。元閣僚やSPLM幹部を含む政治家11人も逮捕されました。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、国内避難民数は49万4000人、隣接4カ国に脱出した難民数は8万6100人を数えました。衝突による死者数は国連発表で1000人を超え、援助団体によると1万人近くに達しました。

 反乱軍側代表団のタバンデン・ガイ元ユニティ州知事は「合意は南スーダンの現在の問題を解決するものではない」と言明。政府側代表団のデン前外相は「流血を防ぐために履行を急ぎたい」と述べましたが、反乱軍側に「停戦合意実現の力があるかどうか不安だ」とも語りました。

 国連安保理は同日、和平合意調印を歓迎、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は、合意の即時履行を全当事者に求めました。


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