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2014年1月21日(火)

主張

名護市長選の審判

民意に従って新基地の断念を

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 米軍新基地建設問題を最大の焦点にした沖縄県名護市長選で、新基地反対を掲げた現職の稲嶺進市長が、自民などの推した候補を大差で破り再選を勝ち取ったのは市民・県民の歴史的勝利です。

 菅義偉官房長官は選挙中「結果はどうあろうとも新基地建設は左右されない」といい、選挙結果がでたあとも新基地建設を「進めていきたい」とのべました。しかし住民の意思がこれほど鮮やかに示されても新基地建設を進めるというのは民主主義破壊のきわみであり、政権の横暴そのものです。政府は結果を重く受け止め、新基地建設をきっぱり断念すべきです。

強圧と札束に怒り爆発

 稲嶺氏の勝利は、相手候補に4000票以上の大差をつけた文字通りの圧勝です。沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地の撤去に関連して名護市辺野古に巨大な米軍新基地を建設する計画が持ち上がっていらい十数年―5回の市長選挙が行われましたが、今回初めて相手候補が「推進」を掲げ、基地建設を許すのか阻止するのかの真正面からの対決となりました。その選挙で、しかも稲嶺市長は初当選した前回より大幅に得票を伸ばして再選されたのです。新基地建設に反対する市民の意思がこれほど鮮明に示された結果はありません。

 安倍晋三政権は、文字通り沖縄が島ぐるみで反対してきた新基地建設を押し付けようと、「県外移設」を主張してきた自民党県連を押さえ込み、仲井真弘多沖縄県知事に振興策をちらつかせて辺野古埋め立てを承認させました。安倍政権と自民党は、選挙中も強権と札束で新基地建設を押し付ける態度をむきだしにしました。なかでも「基地は政府が決める」といいはなつ石破茂自民党幹事長が名護市入りし、名護振興基金として500億円だすと宣伝したのはその最たるものです。市民が「沖縄県民・名護市民をばかにするな」と怒りを爆発させたのは当然です。

 選挙結果は、名護市民に新基地建設を押し付けようとした安倍政権と自民党に対する断固とした審判の結果です。共同通信の市長選の投票所での出口調査でも、投票した市民の65%以上が新基地に反対でした。新基地建設反対は、県民・市民の変わらぬ総意です。

 沖縄県民が新基地に反対するのは、アジア太平洋戦争末期の沖縄戦で多くの県民の命が失われた痛苦の体験から「命(ぬち)どぅ宝」の言葉を大事にするからです。沖縄は戦後も長く米軍の占領下に置かれ、今も基地が密集し、県民が基地被害や墜落の危険に苦しめられています。沖縄の米軍基地を減らすどころか県内に新しい基地をつくって苦しみを押し付けるだけの県内移設に賛成できるはずはありません。民意に従って安倍政権は、沖縄への新基地建設の押し付けをきっぱりやめるべきです。

基地のない沖縄・日本を

 米軍基地に苦しめられているのは沖縄県民だけではありません。占領が終わって半世紀以上たつのに、首都を含め国中に外国の基地が置かれている国は世界にありません。沖縄からも本土からも米軍基地を撤去すべきです。

 名護での新基地建設阻止のたたかいはいよいよ正念場を迎えます。沖縄県民と本土が連帯をつよめ「基地のない沖縄」「基地のない日本」の実現にむけたたかいを発展させることが必要です。


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