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2014年1月20日(月)

日本共産党第26回大会

志位委員長の結語

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 日本共産党第26回大会最終日の18日、志位和夫委員長が行った、大会決議案と中央委員会報告についての討論の結語は、次のとおりです。


 代議員および評議員のみなさん、おはようございます。インターネット中継をご覧の全国のみなさんにも心からのあいさつを送ります。

 私は、中央委員会を代表して、討論の結語をおこないます。

 3日間の討論で、65人が発言しました。全体として、決議案と中央委員会報告が豊かに深められるとともに、この間の党の躍進の息吹がみなぎり、涙あり、笑いあり、明るく、楽しい、素晴らしい感動的な討論となりました。(拍手)

 討論での発言を希望された方は、197人におよびます。用意した発言原稿があれば事務局に届けていただきたいと思います。新しい中央委員会の責任で、今後の活動に生かすようにしたいと思います。

全国からの反響――全党討論での疑問に答えた報告が歓迎された

 大会初日の中央委員会報告は、全国でインターネット中継され、党内通信、ユーストリーム、ニコニコ動画の合計で、党内外の5万人以上が視聴しました。この数は、空前のものでありまして、東京ドームが(笑い)4万7千人で(笑い)超満員だそうですから、東京ドームにも入りきれないほどの多数の人々が(笑い)、一度に報告を視聴してくれたということになります。(拍手)

 全国から寄せられた感想文は、628通にのぼりました。

 全国からの感想では、中央委員会報告は、きわめて積極的に受け止められています。

 報告で解明した決議案の各章ごとの強調点が、それぞれ大きな共感をもって受け止められています。

 とりわけ、中央委員会報告が、「自民党と共産党との間の『受け皿政党』が消滅した」という問題、「『自共対決』といっても力に差がありすぎるのでは」という疑問、「“社会主義をめざす国ぐに”をどうみるか」など、全党討論で出された疑問・意見にかみあって、決議案の内容をさらに突っ込んで解明したことに、強い歓迎の声が寄せられています。「うちの支部にきて疑問に答えてくれたようだ」、「こんなことをやる党はほかにない」という声も寄せられました。

 中央委員会が決議案を提案し、2カ月にわたって全党討論をおこなう、そこで出された疑問・意見にたいして、大会での中央委員会報告でさらに深めて解明する、そして全党的な認識がさらに大きく豊かに発展する――ここにはわが党ならではの双方向での認識の発展の民主的プロセスがあり、民主集中制という組織原則の生命力の発揮があることを、私は、まず強調しておきたいと思うのであります(拍手)。またそれは、政党らしい政党としての日本共産党の真価を示すものでもあることをのべておきたいと思います。(拍手)

「自共対決」――全国の地域・職場・学園がその舞台となっている

 大会討論での発言は、どれも教訓に富み、豊かで素晴らしいものでした。私は、開会あいさつで、全国の実践によってつくられたたくさんの「宝」を、討論によって全党の共有財産にしようと訴えましたが、すべての発言が「宝」というべき内容のものでした。結語でそのすべてをとりあげていきますと、同じ時間がかかることになりますので(笑い)、近く発行する『前衛』大会特集号で、全員の発言を収録いたします。ぜひそのすべてを今後の活動に生かしていただきたいと思います。

 結語では、参加者のみなさんが共通して、感動をもって受け止めたであろう、いくつかの特徴点についてのべておきたいと思います。

 第一は、「『自共対決』時代の本格的な始まり」という情勢の特徴が生き生きと語られたということであります。

 国会議員の代議員から、躍進した参議院を舞台にした臨時国会での「自共対決」のたたかいが意気高く語られました。都議会議員に初当選した25歳の代議員は、日本共産党都議団を代表して発言し、躍進都議団が、議会での存在感を大きく高め、都民の力と一体に都政を動かしていることを、元気いっぱいに語りました。

 同時に、「自共対決」の舞台は、国会や都議会などだけではありません。多くの代議員の発言で、全国の地域・職場・学園が「自共対決」の舞台となっていることが語られたことは、重要だと思います。

 中部地方の学生支部の代議員は、学生の多くが、高い学費、奨学金の返済、生活費のために、劣悪な条件でのアルバイトで働かねばならない実態をのべるとともに、「学生をとりまく今の苦しい現状は、今の自民党政治が生み出してきたものです。自民党政治によってあきらめさせられている学生に、あなたも社会を変えていける力をもっているんだと伝え、社会変革の運動にかかわってもらうこと、ここにこそ、学園の中における『自共対決』があります。それだけに、強くて大きな共産党や民青同盟をつくることが非常に求められていると思います」と語りました。

 石川県の加賀市議会議員の代議員は、昨年10月の選挙で得票を大きく増やして8期目の当選をかちとった経験を語りました。「宣伝カーを走らせてみますと、本当に驚きました。いままでは、『あんたはいいけれど、共産党やさけだめなんだ』『共産党いわんと歩け』、こんな声が必ずかかりました。しかし、今回の選挙では、『共産党の候補者というのはあんたか』とわざわざ顔を見に出てきてくれる。『共産党、いまがんばらな、がんばるときねえぞ』、こんな声をかけてくる人があちこちいて、私は本当に驚きました」、「私は、本当に今回の選挙戦をたたかいながら、『自共対決』という共産党への期待をこれほど感じた選挙戦はありませんでした」と、情勢の大きな変化への確信を報告しました。

 山形県の真室川町議会議員の代議員は、移住して空白克服に挑戦、町始まって以来の日本共産党の議席を獲得したたたかいを語りました。一軒一軒を訪ねながら要求を聞き、党員と「しんぶん赤旗」読者をコツコツ増やして、勝利への道を開いた。党の議席を得たことで福祉灯油の実現、TPP交渉からの脱退を求める全会一致の意見書の採択など、町政を動かす奮闘をするなかで、自民党籍の町議からも、「『自共対決』の時代というが本当にそうだ。まともな政党は自民党と共産党、あとはもともと自民党を出ていった人たちがやってる」との声が寄せられたことを紹介し、「町でも本格的な『自共対決』の時代が始まったといえます」と語りました。

 長野県の県議団副団長の代議員も、情勢の劇的変化を報告しました。「わが町の町長はセイコーエプソンの元専務。専務時代には共産党撲滅宣言を発したと自ら告白した人です。しかしこの町長は、わが町の県議会議員は共産党議員で十分だといって、選挙も応援してくれるようになっています。また、この新年には、隣町の元町長さんから、『自共対決』から『共自対決』になるよういっそうがんばってほしいという年賀状をいただきました」との報告でした。「共自対決」という言葉が、元町長さんという党外の有力者から語られたのは、うれしいことであります。(拍手)

 全国いたるところで、こうした新しい情勢が生まれています。ある代議員は発言のなかで、「大会決議案は、『自共対決』時代の本格的始まりを迎え、日本共産党は『対決』『対案』『共同』で現実政治を動かしていくとしています。私は、これらのことは中央や国会議員団だけがやることでなく、全国すべての支部への直接の提起だと受け止めています」とのべましたが、まさにその通りであります。

 安倍自公政権による国民の利益に背く悪政の震源地は政府と国会ですが、その被害は全国すべての地域・職場・学園にあらわれています。そして、その害悪と正面から対決し、打開の展望を示し、広く国民と共同する――この仕事を担える党は、全国どこでも日本共産党をおいてほかにありません(拍手)。全国のすべての地域・職場・学園が、「自共対決」の舞台となっているのであります。この胸おどる情勢の新しい特徴をとらえて、元気いっぱい奮闘しようではありませんか。(拍手)

 そして、「自共対決」ということにかかわって、多くの代議員が発言で、「実力のうえでも『自共対決』といえる時代を切り開こう」という決意を語ったことはきわめて重要であります。中央委員会報告でものべたように、政治的には「自共対決」の構図は明瞭ですが、自民党と日本共産党との間に力において差があることは事実であります。

 「実力のうえでも『自共対決』といえる時代を」――これを合言葉に奮闘しようではありませんか。強く大きな党をつくり、実力のうえでも日本共産党が自民党とがっぷり四つで対決する時代を開こうではありませんか(拍手)。そして、いずれは、私たちが政権与党を担い、民主連合政府を樹立する、この大きな志をもって奮闘しようではありませんか。(拍手)

2010年代に「党勢倍加」をやりきる展望がみえてきた

 第二は、討論を通じて、2010年代に「党勢倍加」――50万の党員、50万の「しんぶん赤旗」日刊紙読者、200万の日曜版読者を――という大目標をやりきる展望がみえてきたということであります。これは大目標ですが、この峰へと至る道が見えてきたということであります。

 福岡県委員長の代議員は、「この大目標をやりきれる確信が、いま自分の中にあるのか」と問いかけつつ、党大会にむけてとりくんだ「大運動」の実践が大きな確信を与え始めていることを語りました。「党創立90周年・党勢拡大大運動」で県内の五つの地区委員会、「第26回大会成功・党勢拡大大運動」で県内の四つの地区委員会が党員拡大の目標を達成した中身を見て、「私は、倍加はできるという思いを強くしております」とのべました。「直鞍(ちょくあん)地区委員会は、現勢比でこの4年間で36%の党員を増やしました。嘉飯(かはん)地区委員会は、35%の党員を増やしました。田川地区委員会も22%の党員を増やしました。東・博多地区委員会も32%の党員を増やしました。2010年代、いまから6年間に倍加できないことはない。こういう思いを非常に強くしているところです」との発言でした。「大運動」の実践をへて、この大目標への展望が見えてきたとの発言でした。

 奈良県・奈良地区委員長の代議員は、大会にむけた「大運動」の党員拡大の目標を超過達成した経験を語りました。「安倍政権の暴走にストップをかけたい。歩けば歩くほど、決議案のいう情勢の激変を実感でき、またそれが確信となって運動が加速しました」という発言でありました。有名な中小企業の前社長さん、保守の後援会長をしていた大きな農家のご夫婦、空白の大経営で青年から幹部まで多くの新入党員を迎えたことなどが、情勢の激変を体現しているとの確信が語られました。そして、「これは通過点です。成長・発展目標までにはまだまだ大きな距離を残していますが、党勢倍加も夢ではない。この手がかりをつかみました」と発言しました。

 北海道・十勝地区委員長の代議員は、「成長・発展目標」の実現をめざし、有権者比1%の党員をめざし、毎月、毎月、追求するもとで、約9割の支部が党員を迎え、431人を増やし、3自治体が1%を超えたことを報告しました。TPP反対の「オール十勝」の運動をつくる、「十勝経済懇談会」にとりくむなど、たたかいと一体で党勢拡大にとりくむ姿が語られました。「大会決議案を十勝でどう具体化し、運動するかを考えるとわくわくします。党勢の倍加と世代的継承をなしとげるため、困難を喜びとして展望をもってがんばりたい」との抱負と展望が語られました。

 神奈川県・川崎北部地区・地域支部の代議員は、少し前までは支部会議も開催されない困難支部でしたが、2人の新入党員を迎えたことをきっかけに変化が始まり、支部会議、学習、政治討議を大切にするなかで支部が成長し、地域で原発ゼロの運動、教育懇談会、無料塾など要求実現の活動にもとりくむなかで、第25回党大会から党員の倍加を達成したと報告しました。この同志は、「志位委員長は、『2010年代に党員の倍加』と言われましたが、この目標にわが支部は賛同できません」と発言しました(笑い)。一瞬、びっくりしましたが(笑い)、つぎの発言は頼もしいものでした。「なぜなら、わが支部の目標は20%の得票率、有権者比1%の120人の党をつくること、党員の5倍化だからです。私たちの支部は、この目標は達成できると感じています。25大会からの党員の倍加は、実質1年半でやりました。今後は、まず有権者0・5%、60人を次期党大会までにやり、2010年代で120人をやりきることを公約したいと思います」。この公約は、しっかり大会として受け止めて(笑い)、ともに実現のためにがんばりたいと思います。(拍手)

 山口県・北南地区・地域支部長の代議員は、「大運動」で党勢を倍加し、100人の党を達成し、有権者比で0・5%を超えた経験を語りました。前支部長が病気で亡くなり、支部長の引き受け手がいなくなるもとで、「もうやるしかない」と支部長を引き受けた。ともかく党員を増やしていかないと始まらないと毎月党員を増やしつづけるとともに、党員一人ひとりを大切にする支部活動にとりくみ、党費納入は100%になっているとのことでした。こうしたとりくみのなかで、ある新入党員は、「私は幼いときから家族に恵まれず、愛情を知らずに成長してきました。人を頼ることもなく一生懸命に生きてきました。また悩みがあっても安心して相談する人もなく、一人で考えて行動してきました。いま、私は、本当に心からほっとする友だちや心地よい居場所を見つけることができました。それが東部支部です。私にとって家族です」と語ったとのことでした。こういう家族のような温かい連帯で結ばれた支部をつくるなかで、20カ月連続で入党者を迎え、事務所の壁には「入党おめでとう」という歓迎会の横断幕が張りっぱなしとの報告でありました。これからもずっと張りっぱなしが続くことを、心から願うものであります。(笑い、拍手)

 大会決議案は、2010年代に「党勢倍加」を実現しようという大目標を提起しましたが、この大目標は実現できる。たいへんな仕事だけれどもやってやれないことはない。報告と発言を聞いてやれると感じた。「倍加でなく5倍化だ」。そうした確信と展望が、多くの発言によって語られたことは、素晴らしいことではありませんか。

 この確信と展望を、党大会のこの会場のなかだけに終わらせないで、全国にしっかり持ち帰り、みんなで力をあわせて実践しようではありませんか。全国すべての党組織と党支部が、2010年代に50万の党、50万の日刊紙読者、200万の日曜版読者という「党勢倍加」に正面から挑み、それを必ず実現し、どんな情勢が展開しようとも、日本共産党のさらなる躍進をかちとり、民主連合政府樹立への道を切り開こうではありませんか。(拍手)

「世代的継承」――職場でも若い世代でも、展望が大きく見えてきた           

 第三は、2010年代のもう一つの党建設の大目標――「世代的継承」をやりとげる展望も大きく見えてきたということであります。

 職場での党づくりについて、発言のなかで、教職員の職場、自治体の職場、民間大企業の職場、医療の職場など、さまざまな分野で、労働者のなかで人間的信頼を強めながら、新入党員を迎えている経験が語られ、この分野に広大な可能性が存在することが示されました。

 とくに若い世代の代議員から、自らが、社会と政治のさまざまな矛盾に苦しむなかで、日本共産党と出会い、入党し、たくましく成長しつつある姿が語られたのは、どれも胸を熱くするものであり、本当に感動的でありました。

 宮城県・塩釜地区の勤務員で、参院選の比例代表候補としても奮闘した代議員は、大学卒業後にブラック企業に就職して体も心も傷つき退職し、つぎに派遣労働につき、期間社員になりましたが、東日本大震災を口実に雇い止めにされた。雇用の確保を求めて組合に入り、仲間とともに会社とのたたかいに立ちあがった。時にくじけそうになるなか、最後まで寄り添って国会でも職場でも一緒になってたたかったのが日本共産党でした。その姿に感動し、入党を決意し、会社責任で雇用を確保するという画期的内容で和解をかちとったとのことでした。「このことは人生で大きな確信となりました。自分たちのような人たちをもう出したくない。その一番の近道はこの党を大きくすることだと決意し、地区委員会の専従になりました」との報告でありました。

 青森県の民青同盟委員長の代議員も、自らの変化を語りました。高校卒業後に、ブラック企業に就職し、過酷な労働とパワハラまがいのことまでされて、やむなく仕事をやめた。再就職先が見つからず、自分にも自信がなくなり、「自分は何をしてもだめだ。何でいまの若い人はこんなつらい思いをしないといけないのか」と思っていた。そんなモヤモヤをまるごと受け止めたのが日本共産党でした。悪いのは自分でなく社会だと教えられ、社会は声をあげれば変えられると目が開かされ、入党しました。この同志は、「私自身そうであったように、いま大変な実態に置かれている青年にとって、まさに日本共産党は大きな希望です。いま、多くの青年がこの希望である党との出会いを待っています。苦しんでいる青年にこの希望を届けられるよう、私も先頭に立ち奮闘します」とのべました。多くのみなさんが、この発言を胸を熱くして聞いたのではないでしょうか。

 三重県の南部地区・青年支部の代議員も、ブラック企業に就職して、過酷なノルマとパワハラに苦しみ、退職するなかで、「自分の生き方が悪かったのだ」と考え、精神的に追い詰められていった。そんななかで党員だったお兄さんが、ブラック企業の実態、その違法性、それが横行する社会問題について話してくれた。憲法の学習会に参加すると、青年党員が、親身になって悩みを聞いてくれた。そういうなかで入党を決意したとの報告でした。この同志は、「入党してからはとてもいきいきと活動できました。党と出会うまでは、どん底にいた私が党との出会いをきっかけにこの矛盾だらけの社会を変えたいという思いと同時に、私のようなつらい思いをするような人を増やしたくないという思いも芽生えました」と語りました。参院選で躍進をかちとるなかで、妹さんも入党し、兄妹4人全員が党員となったとのことでした。4人の兄妹のみなさんを祝福したいと思います(拍手)。この代議員の同志は、民青同盟の専従として頑張る決意を語りました。

 東京の学生支部の代議員は、首都圏の学生9条の会を中心としたメンバーとともに「ピースナイト9」というイベントを企画し、400人もの参加者を集めた経験を語りました。この同志は、「今の学生の中に『平和を守るために何とかしないと』というエネルギーがかつてない大きさで秘められている」と語りました。そして、こうしたなかで日本共産党が確かな対案・展望を示すことが大切だと語りました。この同志自身も、その確かな展望にとても驚き、深い確信をもって入党し、専従活動家になる決意をしたとのことでありました。この同志は、「今こうして決意しているのも、たまたま日本共産党に出会えたからだと思います。私は学生運動にあこがれ、過激派の活動にも興味をもっていました。軍歌が好きで右翼少年でもありました。だけれどたまたま大学に『資本論』を読む社研サークルがありました。信頼できる先輩がたまたま日本共産党員でした。だから自分はこうして今いられるんだと思います」と語りました。日本共産党との出会いがなければ、自分はどうなっていたかが率直に語られました。過激派とか右翼の方に行かなくて本当によかったと思って発言を聞きました(笑い、拍手)。日本共産党との出会いが、その若者にとって、どんなに大切かを痛感した発言でした。

 若い同志の発言を聞くと、この世代が、労働の面でも、学業の面でも、たいへんな苦しみと困難に直面している。同時に、それを「自分が悪い」、「自己責任だ」というようにとらえさせられ、苦しんでいる。「二重の苦しみ」のなかにあることを痛感させられます。そういう若い世代にとって、「悪いのはあなたではない。社会と政治の仕組みにこそ問題はある。この仕組みを変えるたたかいにこそ未来はある」と語りかける日本共産党の存在がどんなにかけがえのないものであるかを深く実感させられた発言でした。

 若い同志が語った、「いま大変な実態に置かれている青年にとって、まさに日本共産党は大きな希望です。いま、多くの青年がこの希望である党との出会いを待っています」という言葉をみんなで胸に刻もうではありませんか。(拍手)

 若い世代の悩みや苦しみに心を寄せ、そのエネルギーに信頼を寄せ、願いや思いをともに実現し、日本共産党という希望を届け、未来への展望を語ることは、若い世代に対する日本共産党の重大な責任であります。そのことを全党の共通の自覚とし、日本の未来を担う世代を党に迎え入れる活動を、全党をあげて大きく発展させようではありませんか。(拍手)

 決議案が提起した2010年代の党建設の二大目標――「党勢倍加」と「世代的継承」は、実現できる。困難はあるがなせばなる。私は、このことが討論をつうじて明らかになったことは、この大会の最大の成果だと思います(拍手)。大会でつかんだこの確信を、全党の実践によって、必ず現実のものとしようではありませんか。(拍手)

決議案が示した未来社会の展望が、大きな反響を呼んでいる

 第四は、決議案が示した日本における未来社会の展望が、発言のなかでも生き生きと語られ、全国からの感想でも大きな反響を呼んでいることであります。

 長野県書記長の評議員は、「決議案第2章の世界の動きをどうとらえるのか、第6章の未来社会の展望は、山々に囲まれた長野でも、どこか遠い話ではなく現実的で日々の活動に生きた力を与えている」ことを語りました。多くの若者、多くの人々が、「人間、生きた労働の浪費」の中で暮らしていること、「未来社会への展望は、いまの若い世代、生きた人間の使い捨てにより、苦しむあらゆる世代への確かなメッセージになっている」とのべました。世界論、未来社会論を、身近な問題として、大いに語っていこうということが、多くの発言のなかでのべられたことは、たいへん重要であります。

 決議案、中央委員会報告、討論をつうじて、また全国からの感想を見ても、未来社会の問題は、苦手の問題ではない。決して難しい問題でもない。ここにこそ、資本主義を乗り越えるロマンと大志をもって活動する日本共産党の真骨頂がある。これを大いに国民のなかに語り広げようという機運が大きく広がりつつあることは、たいへんにうれしいことであります。

 ここでも日本共産党の魅力を大いに発揮して、党の躍進をかちとろうではありませんか。(拍手)

各国大使館からの来賓の感想について

 この大会には、在日の大使館の方々に傍聴をご案内しましたが、16の国の大使館からご出席がありました。

 私たちは、初日に、お礼をかねて懇談する機会がありましたが、その席で、多くの方々から、こうした機会をつくったことへの歓迎が語られたのはうれしいことでありました。

 懇談で出された感想を若干紹介いたします。

 ある大使館の方は、「報告を聞いて、集中的に内外の問題を学んだという思いです」と語っていました。

 ある方は、「報告は3時間でしたが、とても面白く、時間が気になりませんでした。日本の政治の特徴がよくわかりました」と感想をのべてくれました。

 別のある方からも、「報告は長さを感じさせない内容のあるものでした。初めて参加しましたが、予想していたよりも面白かった(笑い)。報告は、4時間でも、5時間でも聞きたかった」(笑い)と評価をいただきました。

 ある方は、「中南米カリブ海諸国共同体(CELAC)の動きを詳しく、その重要な意義を正確にとらえて報告されていたのはさすがであり、感謝したい」と語りました。

 ある欧州の大使館の方は、「首相の靖国参拝について、わが国も心配しているし、欧州の人たちは全体として靖国参拝は不必要だったとみなしている」とのべていました。

 ある方は、「党本部もそうだが、この大会会場も日本共産党の自前のものだったと聞いて驚いています。国民に根差した党だということが外国人の私にもよくわかる」とのべてくれました。

 ある方は、「自民党の大会に参加したことがありますが、同時通訳がなく、まったく中身がわからなかった」(笑い)と語っていました。どうも内容以前の問題があったようです。(笑い)

 ある方は、党大会代議員が830人だと伝えると、「みんな共産党員なのですか」(笑い)と驚きの表情で語りました。

 それぞれの国の政府と日本共産党は、共通点もあれば、相違点もあると思いますが、日本共産党が、内外の諸問題について、綱領を指針に、現実に根差した、まとまった包括的な見解をもっていることについて、高い評価をいただいたことは、たいへんにうれしいことであります。(拍手)

 大使館の傍聴の招待は、相互理解と友好のためにおこなってきましたが、今後もこういう機会を大いに発展させていきたいと考えています。

決議案の修正・補強について

 つぎに、全党討論、中央委員会報告、大会での討論をふまえて修正・補強した決議案を提案します。

 決議案の修正・補強提案は、お手元に文書で配布してあります。傍線の部分が修正・補強する箇所であります。

 大会にむかう全党討論では、1000件以上の意見・提案が寄せられ、それらの多くは決議案の内容を歓迎し、よりよいものに練り上げる立場のものでした。それらの一つひとつを吟味したうえで提案します。

 可能な限り、修正・補強提案に反映させる立場で作業をおこないました。ただ、いくつかの政策課題を盛り込む要望もありましたが、すでに発表している政策上の見解や活動上の方針を決議にすべて盛り込むのは難しいということを了解いただきたいと思います。

 主な修正・補強箇所はつぎのとおりであります。

 ――第1章・第4項。参議院選挙で獲得した議案提案権の活用は、決議案では第3章・第14項「暮らしと経済」の「雇用のルール」の箇所に入れていましたが、わが党は、ブラック企業規制法案だけでなく、通常国会には秘密保護法廃止法案を提出することにしており、議案提案権の活用は、もとより雇用に限られたものではありません。わが党の「対案」の姿勢を具体化するものとして、こちらに移動するほうが適切と考え、修正をほどこしました。

 ――第2章・第10項。地球温暖化対策の問題では、9中総後に開催されたCOP19の結果と、そこでの日本政府の態度に非難が集中した事実を踏まえて補強しました。

 ――第3章・第12項。決議案では「安倍自公政権は、衆参両院で多数を握り、内閣支持率でも比較的に高い数字が出ている。しかし、政治的には決して盤石ではない」となっていました。しかし、9中総以後の2カ月間に、安倍政権の暴走への国民的批判が高まるなかで、ジグザグはありますが、全体として安倍内閣の支持率が下がり、とくに北海道、福島、沖縄をはじめ、5割を割る状況も生まれてきています。だいたい安倍内閣の支持率について、わが党が「高い」と将来にわたって保証することなど、できようはずもありません(笑い)。そこで、「比較的に高い数字が出ている」を削除しました(拍手)。また、侵略戦争を肯定する歴史観は、昨年12月の安倍首相の靖国参拝という「行動」に端的に示されたので、そのことを補強しました。

 ――第3章・第13項。東日本大震災の復興とともに、来年で20年を迎える阪神・淡路大震災の復興問題に関連して、阪神・淡路大震災の被災者を、借り上げ復興公営住宅から追い出す動きとのたたかいは、他の地域の被災者支援とも結びついた問題であり、各地の運動と連帯して奮闘するという趣旨の一文を補いました。

 ――第3章・第14項。農林漁業のところで、9中総後、政府が5年後に国内での生産調整を廃止する方針を決めたという事態の進展があったので、それを補いました。

 ――第3章・第15項。原発とエネルギーのところで、2011年8月に発表した提言「放射能汚染から、子どもと国民の健康を守る対策」の内容の中心点を、具体的にのべるようにしました。福島県内にいる人も、他の地域に避難した人も、区別なく、国の責任で十分な対策をとることは、住民の要求をふまえ、党が早くから一貫して主張してきたことであります。他方、中央委員会報告でのべたように、安倍政権は昨年12月、原発を「基盤となる重要なベース電源」として将来にわたって維持・推進し、「再稼働を進める」とした「エネルギー基本計画案」を発表し、原発新増設や核燃サイクル計画にも固執しており、そのことをふまえて、一連の補強をおこないました。

 ――第3章・第16項。沖縄をはじめとする米軍基地問題では、安倍政権の強圧により、昨年12月、仲井真知事が新基地建設のための公有水面埋め立てを承認するという事態の進展をふまえて、補強しました。

 ――第3章・第18項。(1)の「憲法改定、『海外で戦争をする国づくり』を許さない」のところでは、決議案の段階では「秘密保護法案」が国会に提出され、衆議院での審議のさなかでしたが、昨年12月の秘密保護法強行という事態と、これにたいする反対のたたかいの高揚をふまえて補強しました。

 ――同じく第3章・第18項。全党討論のなかで、学術・文化・スポーツに関する記述の補強をもとめる意見が少なからず寄せられました。学術分野では、安倍政権のもとで大学の反動的再編の動きが強められていることへの批判が広がっており、文化分野では、国家予算に占める文化予算の割合がフランスの10分の1、韓国の8分の1程度の水準だということにたいして、芸術団体などが文化予算の抜本的増額の署名にとりくみ、2012年に請願が国会で初めて採択されるなどの動きがあります。それをふまえて、一項目を新たに補うことにしました。

 ――同じく「政治改革」の項目は、2012年の総選挙、昨年の参議院選挙にたいして、全国で弁護士グループなどが起こした「1票の格差」訴訟で、これまですべての裁判所で「違憲」「違憲状態」という判断が示されるなど、社会的にも大きな注目を集めている問題であり、党としての提案部分も含めて、よりくわしい記述にしました。

 ――第3章・第19項。ここでも、昨年12月の安倍首相の靖国神社参拝という事実と、中央委員会報告でのべたように、中国政府・韓国政府はもとより、米国政府をはじめ欧米諸国などからも批判が上がった事実をふまえて、補強をおこないました。

 ――第3章・第20項。統一戦線のところでは、中央委員会報告でもふれた全労連の役割について、その活動の発展への期待も含めて、明記することにしました。

 ――第4章・第22項。いっせい地方選挙については、中央委員会報告でのべたように、「国政に重大な異変が起こらない限り、私たちが直面する最も早い全国的政治戦」になるという意義づけをはじめ、若干の補強をおこないました。

 ――第4章・第23項。決議案が、昨年の都議選と参院選の総括をおこなった第8回中央委員会総会決定の内容をふまえて、テレデータを使った「声の全戸訪問」を選挙活動の柱にすえるとしたことについて、全党討論のなかで質問や意見がいくつか寄せられましたが、このことについては、なぜこういう方針を出したのかが分かるように補強しました。

 ――第5章・第24項の(2)は、決議案では「大運動」の呼びかけとなっていますが、これを全面的に書き改め、現時点での「大運動」の到達点をふまえ、教訓と課題を具体的にまとめることにしました。また、第25項では、支部指導部の確立の問題や、学習・教育での課題を、第26項では、職場支部援助委員会の問題を、第27項では、県・地区党学校などの確立の問題を補強しました。

 ――第6章・第28項では、中国に対して、節々で率直にわが党の見解を伝えた内容として、中国が昨年11月に新たに設定した「防空識別圏」問題にたいするわが党の見解を伝えたことを追加しました。

 以上が、主な修正・補強点ですが、そのほかにも字句上の修正は多数あります。一言一句詳細な検討をくわえて、修正・補強の作業をおこないました。

 この大会での最大の任務は、新しい情勢のもとで、日本共産党が内外の諸問題にとりくむ大会決議案を練り上げ、決定することにあります。私は、その案は、ここに、全党の英知を結集して立派に仕上げられたと確信するものであります。(拍手)

いっせい地方選挙の躍進にむけて全党が総決起しよう

 全党のみなさん。

 最後に、3日間の討論のほとんどすべてで、来年のいっせい地方選挙をはじめとする直面する地方選挙に勝利する強い決意が語られました。どの発言も、強く大きな党をつくって、この政治戦で躍進をかちとる抱負と決意を語ったものでした。この党大会は、いっせい地方選挙での躍進にむけた一大決起集会にもなったと思います。(拍手)

 この大会の真価が試される最初の舞台が、いっせい地方選挙であります。それは、“第3の躍進”を本格的な流れにしていくうえで、私たちが直面する最初の関門でもあります。

 やるべきことは明瞭です。

 やりきる展望も明瞭です。

 全党が心一つに、まずいっせい地方選挙での躍進を必ずかちとり、それに引き続く国政選挙での躍進をかちとり、2010年代を民主連合政府への道を開く躍進の時代にしていくために頑張り抜こうではありませんか。(長く続く拍手)

 以上をもって、中央委員会を代表しての結語といたします。(長く続く拍手)


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