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2014年1月17日(金)

主張

海自艦「おおすみ」

艦船の衝突はなぜ繰り返す

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 海上自衛隊の大型輸送艦「おおすみ」と釣り船「とびうお」が、広島県大竹市の阿多田(あたた)島沖で衝突した事故は、海に投げ出された釣り船の船長と乗客、合わせて2人がなくなる痛ましい事態となりました。海上保安庁などによる事故原因の究明が始まっていますが、見過ごせないのは海上自衛隊の艦船によるこうした事故があとを絶たないことです。直接の事故原因にとどまらず、なぜ艦船による衝突事故が繰り返されるのか、その背景にまで踏み込んだ徹底した究明が不可欠です。

後を絶たない艦船の衝突

 海上自衛隊の艦船による主な衝突事故は、1988年7月の神奈川県横須賀市沖での潜水艦「なだしお」と遊漁船「第1富士丸」の衝突で遊漁船の乗客・乗員30人が死亡したのをはじめ、2006年11月の宮崎県沖での練習潜水艦「あさしお」とパナマ籍のタンカーとの接触、08年2月の千葉県房総半島沖でのイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突(2人死亡)、同年12月の横須賀港内での護衛艦「しらね」と作業船「第6本栄丸」の衝突、09年10月の関門海峡での護衛艦「くらま」と韓国籍のコンテナ船の衝突と、繰り返し発生しています。国民の生命や財産を守るたてまえの自衛隊の艦船と民間の船舶との衝突で人命が損なわれるのは許されるものではありません。

 個々の事故についてはそのたびごとに海難審判所で事故原因が追究され、裁判でも責任が追及されてきました。「なだしお」の場合は海難審判も刑事裁判も、自衛艦の責任を認めました。しかし、「あたご」の場合、海難審判では自衛隊側の責任を認め「あたご」が所属する第3護衛隊に安全航行の徹底を求めたのに、業務上過失致死が問われた裁判では「あたご」乗員の無罪が確定する結果となりました。再発防止のためにも事故原因と責任の徹底追及は不可欠です。

 海上での衝突事故を防止するため、海上衝突予防法で海上交通のルールが定められています。今回またも衝突事故を起こした自衛艦にまず問われるのは、こうした海上交通のルールを守っていたのかです。「おおすみ」と釣り船は同じ方向に進んでおり、左側を航行していた釣り船と「おおすみ」が接触した可能性が高いと見られています。海上衝突予防法では追い越そうとする側に衝突回避義務を求め、確実に追い越したうえで十分遠ざかると定めています。「おおすみ」と釣り船はなぜ接触するほど近づいたのか。「おおすみ」が左に舵(かじ)を切りながら追い越そうとしていたという証言も究明が必要です。

軍事最優先は許されない

 それでなくても、けた違いに大きく、スピードも速い自衛隊の艦船が、漁船や釣り船も多い海域を航行するのは危険です。ルール以前の問題として、「おおすみ」の事故を防ぐ見張りは十分だったのか。「おおすみ」が警笛を鳴らしたのは接触の寸前だったという証言は見過ごしにできません。

 釣り船など小型船は、自衛艦を見れば停止してやり過ごすという証言もあります。万一自衛艦の側にどうせ小型船は道を譲ってくれるという考えがあったとすれば論外です。海上交通のルールに関わりなく「軍事優先」の考えがまかり通ったのでは、国民の安全は守られる保障がなくなります。


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