2014年1月16日(木)
安倍暴走政治止める足場は?
都知事選 細川・舛添両候補の「実績」を見る
細川護熙元首相と舛添要一元厚生労働相が14日、出馬を表明したことをうけ、マスメディアは「脱原発争点に」「2強対決」「構図固まる」など、細川氏と舛添氏の“一騎打ち”であるかのような報道をしています。
しかし、都知事選挙で問われるのは、原発問題はもちろん、秘密保護法や改憲などの「戦争する国」づくり、消費税増税、雇用・社会保障破壊などでの安倍暴走にストップをかけ、くらしと福祉が第一の都政の実現にあります。
この点で1000万都民の願いを託せるのは、日弁連前会長で年越し派遣村名誉村長も務めた宇都宮けんじさんしかありません。
では、細川、舛添両氏の「実績」はどうでしょうか。
佐川マネーで説明不能
細川氏
細川氏は、1993年に自民党の元幹事長だった小沢一郎氏らと連立を組み首相に就任。連立合意で「外交および防衛等国の基本政策について、これまでの政策を継承」として、自民党の政権転落時に自民党政治の「継承」をうたい、自民党政治の「永続」をその使命としたのです。
細川氏は、都知事選挙で「反原発」を最大の争点とする姿勢ですが、93年連立の「八党派覚え書き」では、「原子力発電については安全性を確保するとともに、新エネルギーの開発に努める」と、「原発推進」を明確にしました。その当時にも、原発の危険性、「トイレなきマンション」といわれる使用済み核燃料の問題を、日本共産党が厳しく指摘していました。
細川内閣は「政治改革」と称して、多数党が4割の得票で8割の議席を占め民意をゆがめる小選挙区制を導入。同時に、有権者を無視した政党の離合集散の基盤となり、国民の思想・良心の自由を侵害する政党助成金制度も導入しました。
今では小選挙区制導入の反省を口にしていますが、現在の安倍内閣も「偽りの多数」の上に成り立っており、今の政治にもたらした害悪は重大です。
細川氏は「国民福祉税構想」として、当時3%だった消費税の増税を突然打ち上げ、国民の批判を買いました。さらに佐川急便からの1億円の「借り入れ」疑惑で説明不能に陥り、9カ月の短命で政権は終わりました。
今度の都知事選挙では、猪瀬直樹前知事の5000万円の徳洲会マネー受け取り疑惑の究明も焦点となる中、佐川マネーに関する細川氏のこれまでの対応が問われます。
社会保障の改悪を先導
舛添氏
舛添氏は、細川氏の支援に立っている小泉純一郎元首相のもと、2005年に日本国憲法の全面改定案である自民党「新憲法草案」を起草した中心でした。舛添氏は、「新憲法草案」で「最大の目玉は、9条を改正し、軍隊を持つことを打ち出したことだ」とし、戦力不保持を定めた9条2項削除を盛り込みました。このときすでに、96条の改憲発議の要件緩和も明記しました。
また舛添氏は、第1次安倍内閣で厚生労働相を務め、医療・介護改悪を進めた人物です。自身の“介護経験”をアピールしていますが、「介護保険料の値上げをやらないといけない」(08年7月27日)と発言し、09年度には保険料が全国平均で引き上げられました。
厳しい批判を浴びた後期高齢者医療制度については、「75歳以上を制度上で区切ることには極めて合理的な理由がある」と合理化(08年)。シングルマザーを「怠け者」呼ばわりして生活保護の母子加算廃止の強行(09年4月)を正当化しました。
舛添氏は、「原発に依存しない社会を訴えている」としていますが、14日の会見で、原発ゼロの時期について「最初からいえる話じゃない」とし、再稼働については「規制委員会や中立的な方々の意見をいただいて、そのうえで決断」と容認。抜け穴だらけの原子力規制委「規制基準」審査で安全が保障されるかのように偽って再稼働を推進する安倍内閣に追従する姿勢です。
細川、舛添両氏のこれまでの「実績」を見れば、安倍暴走ストップへの足場などないことは明確です。