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2014年1月11日(土)

主張

新年TPP交渉

「撤退せよ」の声を大きく

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 環太平洋連携協定(TPP)交渉は、国のあり方をめぐる重要問題として緊迫した情勢が続きます。一方で、広がったTPP参加反対の一点共闘もいっそうの国民的広がりがつくりだされています。昨年末での大筋合意をめざした交渉は、各国の利害対立が解けず越年しました。そこに、TPP交渉の根本問題が示されています。

いっそう明らかな害悪

 それは、農産物の関税撤廃だけでなく、参加国の国民の暮らしに直結する制度や仕組みを、アメリカを中心にした多国籍大企業の利益になるよう徹底的に自由化しようとすることです。異常なまでに秘密にされている交渉を通じて、各国の主権が侵害され、経済や国民生活の改変が迫られることを、交渉関係者も否定できません。

 日本にとっても、多国籍企業化した大企業を別にして、大多数の国民にとっては“百害あって一利なし”であることがいっそう明らかです。安倍晋三政権は“落としどころ”を探るのではなく、交渉からの撤退を決断すべきです。

 事態は予断を許しません。アメリカのオバマ政権は、秋の中間選挙に向けて実績をつくろうと、業界団体の要求を前面におしだして各国に譲歩を迫り、安倍首相は、アメリカと一体になった経済の「枠組み」づくりを最優先し、合意にむけた旗振り役を任じ、譲歩や妥協の余地を探っているとみられるからです。

 安倍内閣が、農業や医療などの分野で設けられているもうけ一辺倒の企業参入への規制を「岩盤規制」と攻撃し、それに穴をあける国家戦略特区を、TPPと表裏一体で進めていることも重大です。人の命、健康、暮らしを犠牲にしても、環境を傷めつけても、短期的なもうけを優先する最悪の選択といわなければなりません。

 1月とされた次回の閣僚会合は2月以降にずれ込みそうですが、今年の前半がヤマ場になるといわれます。政府・自民党は、「聖域」とした農産物5項目を守るために「1センチも譲れない」との態度を強調し、メディアも関税問題での日米の対立が難航の主因であるかのように描いています。公約や国会決議を無視できないと同時に、焦点を農業問題に絞ることで、国民のなかに分断を持ち込むこともみなければなりません。

 TPPがアメリカを中心にした多国籍大企業の利益を最優先したルールづくりであること、農業・食料はもとより、医療、環境、労働、地域経済などに大きな困難をもたらすことを、広く国民に知らせることが求められます。

 TPP反対の一点共闘をさらに発展させるとともに、安倍自公政権がすすめる財界・大企業奉仕、国民生活犠牲の政策を国民的に包囲する運動が重要です。

より広い国民的共同で

 昨年12月には、JAグループとともに学者、研究者、弁護士をはじめ幅広い団体・個人が結集した行動が行われ、国際的な連帯も広がりました。1月に入って、TPP反対で先導的役割を果たしてきた全国食健連の「春をよぶグリーンウエーブ行動」や、「STOP TPP!! 官邸前アクション」も取り組まれています。TPP交渉から撤退させ、日本の食と農業、国土・環境、国民の暮らしを守る国民的たたかいを力強く展開しましょう。


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