2014年1月6日(月)
失業保険の延長 米大統領が要求
【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領は4日、土曜日恒例のラジオ演説で議会に対し、昨年末に期限が切れた失業保険給付制度の延長を求めました。この問題は、米議会内の野党共和党と与党民主党の大きな争点の一つです。
オバマ氏は、昨年末に100万人以上の同給付が打ち切られたと指摘し、延長に抵抗する共和党を批判。失業保険給付制度の失効が続けば消費が落ち込み、経済成長の妨げになると述べ、「昨年は200万人以上の新規雇用を生み出したが、不必要な傷を負うことになる」と強調しました。
オバマ氏は、超党派グループが検討する同制度の3カ月延長法案を示し、「(議会で)通過すれば私は署名する」と表明しました。
米議会の与野党は昨年、激しく対立し、予算が成立せずに一時は政府機関の一部が閉鎖。債務上限の引き上げ期限も迫り、土壇場で債務不履行の危機を切り抜けました。
昨年12月、与野党は財政赤字削減策で合意し、予算案を可決。しかし、延長した債務上限の期限が2月7日に訪れます。
米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は3日付で、失業保険給付制度や債務上限の問題を、「2014年初めのオバマ大統領が議会を動かさなければならない二つの試練」と位置づけています。