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2014年1月6日(月)

“違法な過積載なくせ”

沖縄 生コン運ぶダンプ労働者

生活できる運搬単価求める

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 沖縄の生コン資材を運ぶダンプ労働者が、生活できないほどに収入が低下し、運搬単価の改善を求めて運動を広げています。沖縄では40年来、10トンダンプに17トン前後の資材を積み込む違法な過積載が常態化。重大事故につながるだけに、過積載をなくして労働者と県民の安全・安心を守るとともに、単価改善を求めるたたかいが、大きな世論になりつつあります。 (行沢寛史)


写真

(写真)運搬単価の改善を求めて運動する建交労沖縄ダンプ協議会の組合員

 「すべての単価が過積載をもとにだされている。(過積載が是正され)給料は大幅に下がり、生活できなくなるまでにきている」

 昨年12月、全日本建設交運一般労働組合(建交労)沖縄ダンプ協議会の組合員、又吉和一さんは沖縄県沖縄市で開かれた決起集会でこう発言しました。手取りの給料はいま、月3万円といいます。

 きっかけは昨年2月。国土交通省が全国で交通安全運動を実施した際、ダンプ・トラックの違法な過積載運行の防止をよびかけました。

 建交労の調査では、過積載を「している」は全国で50%を下回っているのに対し、沖縄では93%です。過積載を断ると、仕事がこないため、受け入れざるを得ない事情があります。

 一方で、過積載はブレーキの効きが悪くなるなど重大事故につながることから、改善が求められていました。

 県警は交通安全運動を受けて、取り締まりを強化。運転手が違反で捕まる事態が続発しました。昨年5月には、ダンプのタイヤ2本が走行中に脱輪する重大事故が発生。人身事故にはならなかったものの、1本は前を走行していた車に、1本は反対車線を超えて展示されていた中古車にぶつかりました。

 こうしたなかで6月、県内生コン大手・山城生コンクリート工業で働くダンプ労働者約50人が、過積載の根絶と、生活できる運搬単価への引き上げを求めて建交労に加入。山城生コン分会を結成しました。

 生コン業者からダンプ運転手に支払われる運搬単価は1トン当たり1000円程度。団体交渉や警察からの警告を通じて会社は8月、17トン(運搬単価1万7000円)から定量10トン(同1万円)としましたが、単価は引き上げませんでした。

 この結果、ダンプ労働者の収入は1カ月約60万円から30万円前後に低下。このなかからダンプのローンや車検代などの維持費、燃料費のほか、税金・社会保険料など25万〜30万円を支払い、残りが手取りになります。

 建交労沖縄ダンプ協議会の東江(あがりえ)勇議長は「単価改善は現場の労使交渉だけでは解決しない」と指摘します。生コンは業者でつくる協同組合などが統一して単価を決める仕組みになっています。協同組合が単価改善をしなければ、個々の企業で単価を改善することはできないからです。

 単価改善にむけた県民世論を広げようと、沖縄ダンプ協議会は8月下旬、ダンプデモを敢行。組合に加入していない労働者を含め、県内の生コンダンプ250台の4割にのぼる101台が集結し、大きく成功しました。

 11月には、山城生コン分会の組合員が6日間のストライキを実施。県の協同組合や建設業協会、県議会などにも要請してきました。

 単価が改善されなければ、生コンダンプの運行そのものが停滞し、大きな影響を及ぼします。「過積載のない、安心・安全の生活のために、一日も早い単価の改善を」と又吉さん。ダンプ労働者の正念場のたたかいが続いています。


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