2014年1月4日(土)
臨時教員の不合理解消
再任用でも社会保険継続へ
共産党の国会論戦が後押し
全国20万人の臨時教員が、再任用の際に社会保険から脱退しなくてもよいことが日本共産党の田村智子参院議員の国会質問で明確になり、反響を呼んでいます。低賃金で不安定な臨時教員の待遇改善につながるものと注目されています。
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臨時教員は、任用期間が半年、更新は1回と地方公務員法で定められているため、年度末に数日の空白期間を設けて、何度も任用をくり返す脱法的な手法がとられてきました。そのため、いったん国民年金と国民健康保険に切り替え、3月分の保険料を負担。4月以降の再任用が決まると、社会保険に再加入しています。
「新学期が始まった直後から、2度も市役所や社会保険事務所に出向かなくてはならない」、「健康保険証が交付されるまでは無保険になる」などの声が上がっていました。
田村智子議員は昨年10月24日、吉良よし子参院議員と連名で、直ちに是正を求める質問主意書を提出。11月28日の参院文教科学委員会では、空白期間が大きな不利益をもたらしている事実を示し、引き続き健康保険、厚生年金の被保険者となるはずだと追及しました。厚労省の樽見英樹年金管理審議官は、「使用が継続していると認められる場合には、被保険者資格は継続するものとして取り扱うことが妥当」と認めました。
この質問に対し、「手続きの煩雑さと経済的負担から解消されるものと期待しています」、「全国の臨時教員を大きく励ますものと確信しています」との声が全国から寄せられました。
静岡県では、全教静岡を中心とするこれまでの取り組みによって、県教委は厚労省見解をもとに「空白期間を含め、継続して社会保険に加入する方向で調整していく」と組合側に表明。和歌山でも県教職員組合との交渉で「改善に向けて、給与小委員会で検討する」(県教委)と回答しています。
全日本教職員組合(全教)臨時教職員対策部の波岡知朗さんは「実質的に雇用が継続されているにもかかわらず、社会保険が切られるのは理不尽です。国会答弁に沿って、政府の責任で是正すべきです。臨時的任用を続けるのではなく、正規雇用への道を開くべきです」と述べています。(丹田智之)