2013年12月31日(火)
野党が首相退陣要求
賃上げ要求ストと合流
カンボジア
【ハノイ=松本眞志】カンボジアの野党支持者数万人が29日、首都プノンペン市内の公園で賃上げ要求のストライキに入った縫製工場労働者と連帯し、フン・セン首相退陣と選挙実施を求める抗議集会を開きました。
縫製工場労組は、政府が24日に提唱した1カ月の最低賃金95ドル(約9975円)について、160ドル(1万6800円)に引き上げるよう主張し、ストに突入。政府に圧力をかけるために野党の反政府抗議集会に合流しました。
野党救国党は、今年7月に実施された国民議会選挙で与党人民党側が不正を行って勝利したと批判。選挙結果を認めていません。
救国党党首サム・レンシー元財相は、集会で支持者に向かって、「フン・センと彼の“非合法”政権はわれわれの声を聞かなければならない。彼らはわれわれを無視できないし、国民は変革を求めている」と訴えました。
カンボジアでは、28年におよぶフン・セン政権下で、ポル・ポト政権時代に破壊された経済・生活基盤の復興事業が行われ、縫製産業の資本家の支援も受けて経済は急速に成長しました。
一方、フン・セン政権の権威主義的国家運営や汚職・腐敗が広がっています。これに対して、国民の間では批判が強まり、7月の選挙で与党が20議席後退する要因にもなりました。