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2013年12月27日(金)

みずほ暴力団融資追加処分

きちんとした検証必要

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 銀行の頭取の責任は、かくも軽いものなのでしょうか。

 再度の行政処分の責任をとり、みずほフィナンシャルグループ(FG)の塚本隆史会長は退任しますが、みずほ銀行の佐藤康博頭取(みずほFG社長兼務)は留任します。

あまりに無責任

 「銀行の現場では、顧客とトラブルになったときは、一人ではなく組織として対応しろ、なにかあったら支店長に報告せよと常々言われている。頭取が知らなかったというのは、あまりに無責任だ」

 みずほの対応に、元銀行員はそう憤るとともに、みずほでは、派遣社員やパートに対し、ささいなミスでも契約打ち切りで脅すことが日常的に行われていると指摘します。

 みずほは、歴代頭取を含む役員が暴力団員への融資を把握していたにもかかわらず、2年以上にわたって放置。2月に金融庁から指摘を受けた際には、「情報が担当役員止まりだった」と事実と異なる報告をしていました。

 佐藤頭取は、自身が出席した取締役会にも問題融資について記載した資料が提出されていたことが判明した後も、「知り得る立場にあったが、認識はしていなかった」と責任逃れを繰り返してきました。

 9月末の1度目の行政処分後にみずほが設置した第三者委員会は、わずか20日間で調査打ち切り。みずほは、その調査結果をお墨付きとして、佐藤頭取を半年間無給処分のみで続投させる社内処分と、社外取締役登用を柱とした業務改善計画を金融庁に提出しました。

 今回発表されたみずほFGの「委員会設置会社」移行は、みずほFGに社外取締役が過半数を占める委員会を三つ新設し、そこに経営監視機能を持たせるものです。

自分に甘い体質

 みずほ銀行の前身の一つ第一勧銀で総会屋事件の処理にあたった作家の江上剛氏は、「今回の問題について、もう一度きちんと検証することから始めるべきだ。社外取締役の登用ですむような問題ではない」と語ります。

 経営の組織いじりをしたところで、自分には甘く、弱い人には厳しい銀行体質を根本から改めない限り、過ちは繰り返されるでしょう。(佐久間亮)


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