2013年12月26日(木)
普天間停止回答せず
仲井真知事に安倍首相
沖縄県の米軍普天間基地(宜野湾市)に代わる同県名護市辺野古への新基地建設問題をめぐり安倍晋三首相は25日、仲井真弘多県知事と首相官邸で会談しました。首相は米軍基地の環境問題に関する新協定の日米交渉の開始を表明。一方で、沖縄県が求める普天間基地の5年以内の運用停止については具体的に回答しませんでした。知事は27日に新基地建設のため政府が申請している辺野古沿岸部の埋め立てを承認するかどうか判断することを明らかにしました。
沖縄県側は、(1)普天間基地の5年以内の運用停止と早期返還(2)米軍基地内の汚染確認のための立ち入り調査などを可能にする日米地位協定の改定(3)垂直離着陸機オスプレイの半数程度の県外配備―などを求めていました。
首相は会談で、普天間基地の5年以内の運用停止に関し「(同基地が)移設されるまでの間の危険性除去が極めて重要な課題であるとの認識は知事と共有している」としか答えませんでした。
オスプレイの県外配備に関しては、訓練の約半分を本土の演習場で行うために防衛省内にチームを設置して具体化に向けた作業を進めるとし、訓練の移転に限定。日米地位協定の改定については、環境問題に関し日米地位協定を補足する新たな政府間協定の日米交渉を開始することで米側と合意したことを明らかにし、地位協定そのものには手をつけない姿勢を示しました。
これに対し仲井真知事は「いろいろ驚くべき立派な内容を提示いただいた」などと応じました。会談後、記者団に、辺野古への新基地建設については「非常に難しい」としつつ、「(普天間基地の)5年以内の運用停止というのが実現できれば、一日も早い危険性の除去という点では合格する」などと答えました。