2013年12月25日(水)
政府予算案に業者
消費税増税「経営努力消える」
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来年4月からの消費税増税を組み入れた2014年度政府予算案。大企業には大盤振る舞いの一方で、庶民に8兆円もの負担を押し付ける増税に、業者たちは怒りの声をあげています。
東京都文京区で100年続く豆腐店の4代目、小林秀一さん(39)は「仕入れ値が上がるので、消費税分を商品に転嫁せざるを得ません」と語ります。しかし、消費者は高いと思えば買ってくれません。揚げ物につかう油を、高くても、国産のナタネ油に変えたいと考えています。
賃上げが悩み
「ただ値段を上げただけではお客さんには納得してもらえません。こうした経営努力は本来すべて売り上げになってもいいのですが消費税に消えていく。悔しいですね」
豆腐作りから配達、翌日の仕込みなど、午前2時から午後7時半ごろまで、両親と従業員2人の5人できりもりしています。国産大豆などを使って“こだわり豆腐”をつくってきました。来年4月に消費税分の賃上げをしたいと思っていますが、そうできるかどうか悩みのたねです。
「消費税を上げれば景気は悪くなり、必ず売り上げは落ちる」と小林さん。「商売をしているところは、消費税を払うために商品に転嫁するのか、身銭を切るのか、苦しい選択を迫られます。そもそも消費税は不平等な税金。廃止してほしい。今回の予算では、軍事費が増額されると聞きましたが、なんの役にたっているのか。こんな予算はおかしいですね」と語りました。
息の根止まる
東京都新宿区で35年もライブハウスを経営している男性(67)は「5%のいまでも分納しているのに、また増税なんて。これでは息の根を止められてしまうよ」と話します。
食事を提供していますが、増税されても価格にも転嫁はできないといいます。「大企業には減税で、私たち庶民には増税で、中小企業対策もない。いまの政治は国民に目が向いていない」と憤ります。