2013年12月24日(火)
全労連 労働相談ホットライン ブラック企業の実態次つぎ
時給は最賃以下 ■ 突然「来なくていい」…
全労連が全国で実施した「告発!ブラック企業 労働相談ホットライン」(11日)には全国から431件の相談がありました。過酷な長時間労働や残業代未払い、最低賃金を下回る低賃金など違法がまかりとおっている実態が明らかになりました。相談の一部を紹介します。
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◆飲食業で店長として働く男性
毎朝5時に出勤、帰宅は深夜11時ごろになる。休みもなく、残業代もつかないので手取り17万円ほどしかない。
◆運送業の男性
午時9時に出勤。2〜3時間の休憩で翌日昼の12時まで運転。午後3時まで伝票の整理をするが、自宅に戻って残りの伝票整理。睡眠は平均3時間程度。
◆清掃業の仕事をしていた女性
給与が最低賃金以下の時給565円で計算されている。突然、会社から「12月から来なくていい」といわれた。
◆飲食業の女性
職場で、夜10時以降も高校生が働いている。
◆食品業の女性
社長が独断で有給休暇を取れない日を決めたりしている。
◆飲食業の男性(大学生)
来春から内定が決まっている会社に、卒業までアルバイトに入ったが、店長からのパワハラを受けて就職するかどうかを悩んでいる。
◆サービス業の女性
先日退職したが、時給500円で計算されていた。
◆医療関係で働く女性
上司からのパワハラでうつ病になったが、部長から休んだら賃金はいっさい出さない、といわれている。
◆IT関係で働く男性
何時間残業しても残業代は定額1万円。社長が十分な説明をしないまま就業規則を変えている。
◆運送業の男性
会社が30人の希望退職制度を設け、退職強要している。
「職場変えたい」と28人が当日労組に
全労連・根本隆副議長の話
今回のいっせい労働相談では、月100時間を超える長時間残業、最低賃金以下の時給、残業代の未払いなど違法な実態が多数寄せられました。過酷な労働を強いる「ブラック企業」が社会問題になっているあらわれだと思います。
最大の特徴は、相談者の半分以上が正社員からの相談で、28人が当日に労働組合に加入しました。私が受けた相談者も「職場を変えたい」と訴えるなど、自分だけではなく会社の姿勢を正したいという切実なもので、組合加入をすすめました。
厚生労働省が実施した「ブラック企業調査」でも82%の事業所で法令違反が見つかり、是正勧告・指導の徹底が求められています。
労働組合の組織率の低さもブラック企業がまん延した原因だと考えています。全労連として、雇い止めや賃金未払い、会社の体質を改善させるために、職場で組合をつくり、団体交渉などで労働者の要求を実現させていく運動を今後さらに強めていきます。