2013年12月23日(月)
中日本高速と点検子会社
今年も配当分け取り
笹子トンネル事故
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天井板崩落で9人が死亡した中央自動車道・笹子トンネルの点検を担当する中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京(東京都新宿区)が事故後初めて開いた今年の株主総会で、同社の利益を株主に配当することを決めたことがわかりました。同社株の約9割は親会社の中日本高速道路とエンジ社の所有で、事故責任を問われている両社が利益を分け合う格好です。
エンジ社が今年も株主配当を決めたことは、同社の担当者が「例年通り配当している」と認めました。配当額などについては「明らかにできない」としています。
エンジ社の発行済み株式6万株は、中日本高速が3万2000株(53・3%)とエンジ社が2万100株(33・5%)、グループ会社1社の計3社が保有しています。
昨年度(2012年4月から1年間)のエンジ社の事業報告書によると、エンジ社は一株あたり2740円の株主配当を行い、中日本高速道路が8768万円、エンジ社は5507万円の配当を得ています。
笹子トンネル事故をめぐっては、死亡した青年5人の遺族が両社を相手取り損害賠償を求める裁判を起こしています。事故直前の点検でも、5メートル離れた場所からボルトの点検を行い「異常無し」としていた点など、ずさんな安全管理が明らかになっています。そうした中で、株主配当を分け合う両社の姿勢は、批判を浴びそうです。