2013年12月23日(月)
米英機関 60カ国超通信傍受か
イスラエル首相など1000件
欧米紙誌報道
【ワシントン=島田峰隆】米英両国の情報機関が2008年から11年にかけて、イスラエル首相や欧州委員会の幹部、国連機関など1000件以上を通信傍受の対象にしていたことが新たに分かりました。米紙ニューヨーク・タイムズ21日付が報じました。
これは同紙と英紙ガーディアン、独誌シュピーゲルが、元米中央情報局(CIA)職員のスノーデン氏から得た文書をもとに伝えました。
それによると、米国家安全保障局(NSA)と英国の政府通信本部(GCHQ)はこの期間、世界60カ国以上の政府機関や政治家、国連機関などを傍受対象とし、電子メールや電話通話の記録を収集していたとみられます。
対象リストの中には、イスラエルのオルメルト首相(当時)、欧州委員会のアルムニア副委員長ら欧州連合(EU)の幹部、国連児童基金(ユニセフ)などの国連機関、医療支援を行う国際NGOなどが挙げられていました。
アルムニア氏はニューヨーク・タイムズ紙に対し、「強く憤っている」と発言。欧州委員会報道官は「戦略的パートナーから受けるとは思えない行為だ。欧州委員会は米英当局に容疑をただすだろう」と述べました。
イスラエルのオルメルト前首相は「米国の諜報(ちょうほう)機関がイスラエル首相の電話を聞こうとしていたのなら驚きだ」と語っています。