2013年12月23日(月)
広がる「オール福島」
県内原発全基廃炉に/抜本的な汚染水対策を
東京電力福島第1原発事故から2年9カ月余。放射能汚染水の危機的な状況が続き、いまだに約14万人が県内外で避難生活を送っています。抜本的な汚染水対策、復興の前提となる県内原発全基廃炉を「オール福島」で国と東電に迫るたたかいが、新たな広がりを見せています。(福島県 野崎勇雄)
大集会成功・「会」結成 国・東電に迫る
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11月初めに福島市で開かれた「なくせ!原発 安心して住み続けられる福島を! 11・2ふくしま大集会」には、全国各地からの参加者を含む7000人以上が集まりました。
JA福島女性部協議会会長など県内各界で活躍する人たちが呼びかけ人に名を連ね、県議会議長、自民党国会議員、被災自治体の首長たちから連帯のメッセージが寄せられました。日本共産党の市田忠義書記局長も連帯のあいさつをしました。
▽「事故収束宣言」を撤回し、国の責任で汚染水問題を解決▽徹底した除染と完全賠償▽福島原発の全基廃炉―という集会で掲げた願いが、「オール福島」の声になっていることを鮮明にしました。
今月15日には、「主義主張を超え、廃炉に向けた運動を」と元大学学長や前県知事、宗教者ら県内の幅広い人たちの呼びかけで「福島県内の全原発の廃炉を求める会」が結成されました。「県民一丸になって福島県内の全原発の廃炉を求める運動を進めましょう」とのアピールを採択しました。
県内情勢が激変
大震災・原発事故以降、福島県では情勢の激変が起こりました。民主団体を含め県内各団体を網羅した県原子力損害対策協議会(会長・佐藤雄平知事)が発足し、国・東電に完全賠償を求める活動を開始しました。
「オール与党」対「日本共産党」という対決構図だった福島県政は、当面する最大の課題の原発問題では「オール福島」で「国、東電」に迫る方向へと転換しました。新日本婦人の会が提出し、日本共産党だけが紹介議員だった県内原発全10基の廃炉を求める請願を全会一致で採択(一昨年10月)。ことしの9月県議会では、原発問題にかんする全員協議会を2度開催。政府各省庁担当者、ついで東電社長ら幹部を呼び、各会派が汚染水問題などについて厳しくただしました。
県内原発全基廃炉の要求は文字通り「オール福島」の声になっています。国民的な世論と運動の高まりと相まって、昨年4月に第1原発1〜4号機、今月18日に同5、6号機の廃炉が決まりました。しかし、第2原発(4基)は未定のままです。
県民願いと一致
「11・2ふくしま大集会」の成功などに力を尽くしてきた「ふくしま復興共同センター」の斎藤富春代表委員(福島県労連議長)は言います。
「この間の取り組みで、汚染水問題の解決、徹底した除染と完全賠償、県内原発全基廃炉の要求は多くの県民の願いと一致することが明らかになりました。県民要求を実現する力、『オール福島』のたたかいをいっそう強める力として、今取り組んでいる『原発ゼロ100万人署名運動』に全力を挙げたい」