2013年12月22日(日)
きょうの潮流
読みたいと思い買っているうちに、増えつづける書籍類。狭い住宅ではすぐに置き場所がなくなり、家族の悩みになっている話をよく耳にします▼本は確かに人を豊かにしてくれますが、ひとたび大地震に見舞われれば、凶器に変わります。東日本大震災のとき、仙台の自宅にあった本棚は、固定してあった一部を除いて総崩れ。数メートル先まで飛んだ本もありました▼地震直後に市内の古本屋に聞くと、左右の壁側と中央の棚から落下し、ピラミッドのように山積みになり、上に置いてあった束の本は、「まるで庭石が落ちてくるようだった」と話していました▼阪神・淡路大震災では、激震地の52%の家で本棚が倒れたという調査があります。『ヒトラーを読む3000冊』という本の著者も、その体験をもつ一人です。「三方から飛来した多数の本と本棚の下敷きになり、生死紙一重の体験」をした、とあと書きに記しています。著者が味わった恐怖のほどが感じとれます▼防災専門家によると、本棚を倒れにくくするには、L型金具や突っ張り棒などで固定し、手前側の底にストッパーなどを挟み、少し傾斜をつけるのが有効。重い本は下の方に置き、中板はクギで固定するようにと勧めます▼中央防災会議が首都直下地震の被害想定を発表しました。屋内の収容物の移動・転倒・落下だけで、最悪約7500人の死傷者数を試算。転倒防止が100%実施されれば、被害は半減するという数字も示されています。本棚や家具の固定に心がけたい。