2013年12月21日(土)
きょうの潮流
年末はわが編集局も大忙し。日々の報道とともに、新年号の準備も並行します。年明けには党大会があり、名護市長選や都知事選も。息つく間もありませんが、政治を変えようと奮闘する毎日です▼テレビも特番の時期。そのなかで今年の大河ドラマ「八重の桜」が幕を閉じました。福島・会津出身の新島八重(にいじまやえ)を主人公に、幕末から明治維新へと日本が大きく転換する時代を駆け抜けた女性の生涯を描きました▼全国的には伸び悩みましたが、地元福島では平均20%をこえる高視聴率を記録。これまで語られなかった敗者から見た幕末史や、激動の時代のなかで己を貫き、たくましく生きた八重の姿に共感した人も多い▼最終回の「いつの日も花は咲く」には心にひびくメッセージがたくさんありました。男尊女卑の時代に「知性と品格を磨いた女性には男性以上にこの世を変える力がある」と訴えた八重の夫、新島襄(じょう)。東北の復興に思いを重ねたセリフも節々に▼感心したのは平和を願う八重が言論・報道のあり方を批判した場面。軍備増強をあおる国民新聞の徳富蘇峰(とくとみそほう)に、「政府の機関紙のよう」だと迫ります。そして人を動かす大きな力を何に使うのかと。「力は、未来を切り開くために使わねばなんねえよ」▼放送したNHK。さぞドキッとしたでしょう。本紙が追及してきたように、秘密保護法をめぐる報道はまるで政府の報道官でした。権力に迎合し、国を危うい道に導いていく姿勢。みずからに突き刺さる、八重の信念の言葉でした。