2013年12月21日(土)
介護保険 軒並み削減
社保審部会意見書 委員からも利用制限に批判
厚労省の社会保障審議会介護保険部会は20日、介護保険制度見直しの意見書を、利用者団体の反対を押し切って取りまとめました。訪問介護をはじめ主要なサービスを保険から外すなど、「持続可能性の確保」を名目に手当たり次第のサービス切り捨てと負担増を盛り込んでいます。
150万人が利用する要支援者向けサービスは、市町村の反対に押され「全廃」は取り下げたものの、サービス費の6割を占める訪問・通所介護は市町村に丸投げ。ボランティアなどを活用し、費用に上限を設けるなどして厳しく削減します。
特別養護老人ホームは要介護3以上に制限し、入所待機者の3割を締め出します。「特養以外での生活が著しく困難」な場合は例外として認めるとしています。
現在1割の介護利用料については、一定の所得がある人は2割に引き上げ。65歳以上の20%をしめる「年金収入280万円以上」(40万〜50万人)が対象となる方向です。
特養ホームなどに入所している低所得者に食費・居住費を軽減する「補足給付」についても、夫婦で預貯金2000万円超(単身1000万円)の世帯は対象外とします。
委員からは「認知症が重度化し、費用が増大する。受け皿についても、全国の515自治体のうち162自治体、31・6%が不可能と調査に答えている」(勝田登志子・認知症の人と家族の会副代表理事)、「ボランティアでできるのなら、専門職とはなんなのか。国が責任をもってやるべきだ」(井上由美子・城西国際大学教授)などの批判や懸念が相次ぎました。
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