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2013年12月20日(金)

欧州左翼党「反緊縮」の大会

労組に変化も 広範な勢力の合流へ

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 欧州各国の26の左翼政党で構成される欧州左翼党(EL)第4回大会が13〜15日、スペインの首都マドリードで開かれました。各国で財政危機を理由にした緊縮政策の“嵐”が吹き荒れる中、まさに「反緊縮」の大会でした。(マドリード=浅田信幸 写真も)


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(写真)欧州左翼党第4回大会であいさつする欧州労連のトショ議長=13日、マドリード

 大会が採択した政治文書は、欧州が第2次大戦後「最も深刻な危機」を経つつあり「平和と社会進歩」であったはずの「欧州プロジェクトは悪夢に変わった」と指摘。欧州の人々に示される「唯一の展望は容赦のない社会的退歩である」と強く告発しました。

連帯を基礎に

 これに対置する考え方として、大会が押し出したのは「連帯を基礎とする欧州のビジョン」でした。

 緊縮反対のたたかいの発展に向け、大会は「政治的、社会的な欧州戦線」の構築を呼びかけ、欧州レベルで広範な勢力の合流をはかる方針を明確にしました。今年6月にアテネで開いた「対抗サミット」がその一例としてあげられました。

 ELが注目したのは38カ国85全国労組6000万人が加盟する欧州労連(ETUC)の変化です。欧州労連は1年前に南欧でのゼネストを含む緊縮反対の統一行動を組織。大会文書は欧州労連が欧州連合(EU)の方針に「初めて対立」「予算協定と緊縮政策を一致して拒否」したことを特筆しました。

 大会には欧州労連の議長と書記長がそろって参加。大会代議員を前にあいさつしたトショ議長は「われわれは、あなた方の側にある」と締めくくり、大きな拍手を受けました。

躍進の可能性

 今後の重要な政治日程として5カ月後に迫った欧州議会選挙があります。躍進する可能性のある左派政党として、ギリシャ急進左翼連合、チェコ・モラビア共産党、オランダ社会党などの名がとりざたされています。このうちギリシャの党はELの正式メンバーですが、チェコの党はオブザーバー政党であり、オランダ社会党(大会にゲスト参加)はオブザーバー政党でもありません。

 また国の議会に一定の勢力を持ち、欧州議員も出しているギリシャ共産党とポルトガル共産党は、EL結成そのものに反対し、ELに加わっていません。

 ELへの姿勢の違いの根底には、EUの現実を「たたかいの場」「変革の対象」と見るか、それとも「拒否」と「脱退」の方針をとるかという政治的立場の違いがあります。

 ロランEL議長が主張するように、ELを「欧州の主要な政治勢力」にするために、緊縮反対のたたかいにとどまらず、この根深い意見の相違をどう乗り越えていくか、注目されます。同時にそれは、欧州のすべての左翼的、進歩的な勢力に問われている課題でもあります。

 欧州左翼党 2004年に結成されたEU公認の政党です。欧州議会(754議席)に統一会派「欧州統一左翼/北欧緑左翼」を組織。同党に非加盟の左派政党を含め35人を擁しています。同党所属は22人です。


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