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2013年12月20日(金)

主張

猪瀬都知事辞職

辞任は当然、説明責任果たせ

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 医療法人「徳洲会」グループから5千万円の資金提供をうけ、都民・国民から批判が集中していた猪瀬直樹東京都知事が辞任を表明しました。首都の行政トップが、就任からわずか1年で「政治とカネ」問題で職を失う、異常事態です。疑惑の発覚から約1カ月、記者会見や議会答弁のたびに説明を二転三転させ、国民の怒りをかきたてるなか、居座り続けられなくなったのは明らかです。都政への信頼を失墜させた猪瀬氏に知事の資格はないのは明白です。辞任は当然ですが、これで疑惑の幕引きを図ることは許されず、猪瀬氏は説明責任を果たすべきです。

「妻が秘書が」の揚げ句

 「記憶にない」「妻がやったこと」「秘書に聞いて」―。5千万円資金提供疑惑について都議会で答弁する猪瀬氏の無責任な発言に、あぜんとするばかりでした。

 5千万円を受け取ったのは昨年の都知事選に猪瀬氏が正式出馬表明する前日だったのに、あくまで選挙と無関係の「個人的な借り入れ」では通用しません。現金の運搬や貸金庫での管理の仕方もたびたび前言をひるがえし、破たんに破たんを重ねました。

 猪瀬氏がどんなにごまかそうと徳洲会からの資金提供が知事選にからむ裏献金である疑惑は明らかです。猪瀬氏自身も徳洲会側と知事選費用をめぐってやりとりがあったことは否定しません。公職選挙法や政治資金規正法にかかわる大問題です。

 「借りた」といっても無利子・無担保・返済期限もない資金提供は事実上の贈与です。利息がない資金借り入れが賄賂と認定され実刑判決が言い渡された判例もあります。猪瀬氏の釈明が通用する余地はありません。

 重大なのは、徳洲会の資金提供が、都知事・副知事の職務にかかわる“見返り”として行われた疑いがあることが、日本共産党都議団などの追及で浮上し、ますます濃くなっていることです。

 猪瀬氏は副知事時代の昨年6月、都内にある東電病院の売却を東京電力に激しく迫り、東電は病院売却を決め、競争入札を行いました。都心に徳洲会病院をつくることが悲願だった徳洲会は「タイミングよく」入札に参加した(入札は途中で降りた)ことを党都議団に説明しています。

 猪瀬氏は都議会で、徳洲会とは東電病院の売却は話題になっていないと答弁しました。しかし実際には、資金提供直前の猪瀬氏と徳洲会の徳田虎雄前理事長の会談で、東電病院売却問題が話題になっていました。都政をカネでゆがめた疑惑の徹底解明は不可欠です。

都政の抜本的刷新こそ

 猪瀬氏が知事に就任したのは、ちょうど1年前、当時の石原慎太郎知事が突然都政を投げ出したからです。わずか1年で辞任に追い込まれ、都民を裏切った猪瀬氏の責任は重大です。猪瀬氏は辞職だけでごまかさず、都民に対する説明責任を果たすべきです。

 カネで都政をゆがめた実態解明なくして、都民の願いにこたえる都政の再生はできません。昨年の知事選で、石原知事の後継として猪瀬氏を推した自民、公明、維新の各党の責任も問われます。

 都政の一番大事な仕事は、都民の暮らしと福祉、平和を守ることです。年明けに行われる知事選は、都政刷新の大切な機会です。


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