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2013年12月19日(木)

自動ブレーキ過信は禁物

“障害物の前でピタリと止まる”?

適切に作動しない場合も

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 自動車が障害物の前でピタリと止まる―。こんなCMが頻繁に流れています。いまや「自動ブレーキ」は、新車の「目玉」装置です。先月、人気の「自動ブレーキ」試乗会で事故が起きました。過信は禁物。問題点は…。(遠藤寿人)


写真

(写真)自動ブレーキで障害物の前で止まるマツダ「CX−5」

 先月9日、安倍晋三首相は、ドライバーが運転しなくても走る「自動運転車」に試乗し、「日本の技術が世界一」と持ち上げました。

 その2日後、埼玉県深谷市、マツダ販売店の自動ブレーキ試乗会で、2人が重軽傷を負う事故が起きました。

金網に突っ込む

 事故車はスポーツ多目的車(SUV)「CX―5」。車は約7メートル先の障害物手前で自動ブレーキによって止まるはずが突破、約6・6メートル先の金網に突っ込みました。客の男性と販売店従業員が、捻挫と右腕骨折の重軽傷を負いました。

 この車の自動ブレーキは、「時速4〜30キロ」の低速走行中、レーザーセンサーが前方の車両を検知し、衝突の危険性が高い場合、自動制御する仕組み。事故は、速度超過など「運転ミス」か「車のトラブル」か調査中です。

 マツダ東京本社は「(自動ブレーキで)確実に止まるには状況による」と話します。確かに、カタログには「対象物、天候状況、道路状況などの条件によって適切に作動しない場合がある」「各機能には限界がありますので過信せず、安全運転に心がけてください」と書かれています。

 自動ブレーキをめぐっては6月、トヨタ自動車と三菱自動車工業がリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出ています。

 どちらもマツダの事故とは逆に、障害物検知ソフトが不適切なため予期せぬ所で急ブレーキがかかる恐れがあるもの。トヨタは「クラウン」、レクサス「IS」シリーズなど高級車2万台。首都高速で急停止し、追突される物損事故が1件。同種事例は6件ありました。三菱はSUV「アウトランダー」7256台。トンネルの壁を先行車両と誤認し、ブレーキが作動する事例など36件ありました。

「能力には限界」

 自動ブレーキは約10年前から、大事故につながる「大型車」に先行導入されてきました。日本自動車工業会の資料で「乗用車」での普及を見ると2012年は、総車種193車種中51車種(装着率26・4%)、総生産台数426万台中10万台(同2・4%)です。

 国交省は来年11月以降、「大型車」に自動ブレーキの装着を、義務化します。一方、「乗用車」には、開発の「指針」はあるものの保安基準はなく、車検の点検項目にもなっていません。

 いまや自動ブレーキは、売れ筋の軽自動車にも導入されています。スズキ「ワゴンR」には「状況によっては作動しない場合がある」、ダイハツ「ムーヴ」には「すべての危険を回避できるわけではありません」、ホンダ「N―WGN」には「能力には限界があります」とただし書きがあります。

 同省は「CMでも注意書きが出る。取扱説明書には、誤反応しやすい場所とか、ブレーキの利く範囲が書いてある。確かめてほしい」といいます。

 自動車問題に詳しい五代領さんは「CMは、ブレーキを踏まなくても勝手に車が止まるように見える。CMの注意書きは一瞬で読めない。自動ブレーキはあくまでブレーキが間に合わない時の『補助的』なものだということを全面に押し出し宣伝すべきだ」と話します。


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