2013年12月16日(月)
新潟・群馬でオスプレイ共同演習計画
懸念広がる周辺自治体
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日米両政府は来年2月下旬から3月中旬に、群馬、新潟両県の演習場で予定されている陸上自衛隊と米海兵隊の共同演習(フォレスト・ライト)で、垂直離着陸機MV22オスプレイを使用した共同演習を計画しています。事故の危険性が高く騒音が激しいオスプレイを使った計画に、演習場を抱える自治体や周辺自治体から懸念の声があがり、防衛省への要請が相次いでいます。
関山演習場を抱える新潟県は6日、防衛省に対し、オスプレイの飛行高度や飛行区域などについての日米合同委員会合意事項を遵守するよう「在日米軍に強く要請する」ことを求めるとともに、飛行実態の開示や住民への十分な説明を要求しました。
新潟県上越、妙高両市と両議会は9日、最大限の安全対策と住民生活に影響を及ぼすことがないように配慮することを求めました。
また、相馬原(そうまがはら)演習場を抱える群馬県も9日、情報提供と日米合意の遵守を要請。高崎市は「市街地など住宅密集地を避けること」などを求めています。
群馬県吉岡町は10日、榛東村(しんとうむら)は9日にそれぞれ要請しました。要請では、オスプレイによる米国での事故を指摘し、住民に不安があることを強調しました。
防衛省によると、共同演習は関山、相馬原両演習場を使用して、「積雪寒冷地における機能別訓練、指揮機関訓練、総合訓練」を実施するとしており、ヘリボンと呼ばれる敵地への部隊派兵訓練も検討されています。ヘリボンは10月に饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県高島市)でも実施されました。日米共同訓練でのヘリボンはオスプレイが配備されている沖縄では行われておらず、「沖縄の負担軽減」を超えた訓練の強化です。
防衛省の担当者は、訓練の際、相馬原周辺の場周経路については「米軍に周知するが、風向きや天候によってどう飛ぶかは分からない」と述べ、市街地上空を飛ぶことを否定しませんでした。