2013年12月15日(日)
米軍事費の強制削減取りやめ
下院が予算案を可決
【ワシントン=洞口昇幸】与党・民主党と野党・共和党の合意に基づいて米下院は12日、強制歳出削減を2年間緩和するなどとした予算案を賛成多数で可決しました。上院も16日以降に可決する見通しです。今回の合意による強制歳出削減の緩和の対象は軍事費も含まれ、国防総省側は歓迎しています。
「今回の(与野党)合意は、国防総省予算の問題のすべては解決しないがわれわれの態勢を援助する。特に2014年度では訓練や軍需品の調達のための費用が確保できる」―。
ヘーゲル国防長官は12日、米下院での採決前の記者会見で、こう評価しました。
10日の与野党合意では、14、15会計年度の歳出規模を計630億ドル引き上げ、各1兆ドル余りとしました。14年度では、当初予定していた軍事費から200億ドルの強制削減は取りやめ、軍事費は計5205億ドルとしています。
ロイター通信は「国防総省・米軍が(予算の)大幅削減を回避することを(民主、共和)両党が助けたといえる」と報じています。
強制歳出削減は11年の予算管理法に基づくもの。今年3月に発動し、国防総省・米軍も予算の大幅削減を迫られています。
ヘーゲル国防長官は今回の予算確保は、米国が「関与すべきところでは、断固として選択・決意し、関与していく」と同盟国に示す「重要なシグナルだ」と述べています。