2013年12月15日(日)
きょうの潮流
希代の悪法とよばれる秘密保護法は、日本各地の新聞から批判されています。そのなかで北海道新聞(釧路・根室版、11月29日付)に、興味深い記者のコラムが載っていました▼2005年、当時の自民党政権が共謀罪を国会に持ち出していた頃のこと。同紙記者が「監視社会」をテーマにした取材で、盗聴器を製作して警察に納入した補聴器メーカー元社員の話を聞いています▼警察から「麻薬密輸事件などの犯人取り調べに使う」とウソをつかれ、「後に共産党幹部宅の違法盗聴に使われていたのを知った」と元社員。そのときの体験を振り返り、警察の暴走に警鐘を鳴らしていたといいます▼日本共産党の緒方靖夫国際部長(当時、現副委員長)の自宅電話が盗聴されていたことが発覚したのは1986年。実行犯は神奈川県警の公安警察官たちでした。警察庁の非合法活動組織「サクラ」が主導する組織的犯罪であったにもかかわらず、検察は起訴しませんでした▼秘密保護法に引き続き、またぞろ共謀罪が持ち出されようとしています。犯罪を実行しなくても「相談」しただけで逮捕される恐ろしい法律。共謀を特定するために捜査では盗聴が乱用されます。そのために共謀罪とセットで通信傍受法(盗聴法)改定も検討中とか▼かつてはウソをついてコソコソとやるしかなかった警察の違法な盗聴。これに法的な“お墨付き”を与えるとどうなるのか。公安警察が暴走して、あらゆる団体や個人を狙うことは、過去の例からも明らかでしょう。