2013年12月15日(日)
医療費
70〜74歳 2割負担
来年実施 深刻な受診抑制招く
安倍内閣は12日に閣議決定した2014年度予算編成の基本方針で、現在1割負担となっている70〜74歳の医療費の自己負担について2割に引き上げることを決めました。
来年4月以降に70歳になる人から2割負担とし、対象者は最終的に930万人(19年度)にのぼります。
厚労省は、患者負担が1900億円増えるだけでなく、2100億円もの受診抑制が起きることを、日本共産党の小池晃参院議員の質問(2日)に対して明らかにしました。
現在、70〜74歳の窓口負担の平均は年4・5万円。2割負担によって1人あたり年間2万430円の負担増に加えて、2万2580円もの受診抑制を強いられることになります。
政府は国費を2600億円削減できると強調しますが、小池氏は「必要な医療が抑制される危険は避けられない。高齢者の生活と健康に深刻な打撃を与えることは明らかだ」と撤回を求めました。
小泉政権下の2006年に08年度からの2割負担が決められましたが、07年の参院選で自公政権が惨敗。引き上げが見送られ、その後の民主党政権でもできませんでした。当時の福田康夫首相は「高齢者の方が置かれているさまざまな状況に配慮しながら、きめ細かな対応に努める必要がある」(07年10月)と高齢者が厳しい生活に置かれていることを理由にあげていました。
田村憲久厚労相は、70歳未満が3割負担だとして「世代間の公平」を引き上げの理由にあげていますが、「高いほうに合わせるのが間違っている。高齢者の生活実態を見れば変える理由はない」(小池氏)のが現実です。