2013年12月14日(土)
日米中含む戦争放棄条約を
インドネシア大統領が呼びかけ
インドネシアのユドヨノ大統領は13日、東京都内で講演し、日本、中国、米国などが互いに戦争放棄の法的義務を負う「インド・太平洋友好協力条約」の締結を呼び掛けました。対象国は東アジア首脳会議に参加する東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日米中、ロシア、インド、韓国、オーストラリア、ニュージーランドの計18カ国。
大統領は「ASEAN諸国間で東南アジア友好協力条約(TAC)が果たしたのと同じような平和に向けた変化の力を持つだろう」と強調しました。
TACは、ASEAN諸国間の戦争放棄条約として締結されましたが、域外国に開放されており、東アジア首脳会議の全参加国が加入済み。ただ条約の規定上、ASEAN域外国間では武力不行使の義務を負いません。
この不十分さを補うために、11年の東アジア首脳会議は、参加国同士が戦争放棄を誓約した「バリ宣言」を採択。ユドヨノ大統領は、バリ宣言に法的拘束力を持たせるのがインド・太平洋友好協力条約だとしています。(面川誠)
東南アジア友好協力条約(TAC) 1976年の第1回ASEAN首脳会議で締結。国連憲章やバンドン会議(1955年)にのっとり、独立、主権、平等、領土保全の尊重、内政不干渉、紛争の平和解決と武力の不行使などが原則。1987年にASEAN域外の国々に開放され、現在31カ国と欧州連合(EU)が加入。